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膠芽腫の新たな治療:Tumor Treating Fields therapy

No.4946 (2019年02月09日発行) P.49

山内貴寛 (福井大学脳脊髄神経外科)

登録日: 2019-02-08

最終更新日: 2019-02-05

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【Tumor Treating Fields therapyによる初発膠芽腫への生存延長効果】

膠芽腫の標準治療は手術+放射線治療+テモゾロミドであり,わが国における生存期間中央値は16カ月と報告されている1)。テモゾロミドの登場以降,膠芽腫の治療において生存を延長させる新たな治療方法はなかったが,2015年にTumor Treating Fields(TTF)therapyが初発膠芽腫の生存期間中央値を約3カ月,17年には約5カ月延長するといった報告がなされた2)。5年生存率においてもTTF therapy併用群 vs. テモゾロミド単独群で13%および5%であった。

TTFとは波状の交流電場であり,電場の力が細胞分裂時に働くことで,細胞分裂が遅延または停止して腫瘍細胞の増殖を抑制する。一方で,静止期にある正常細胞は影響を受けない。

オプチューン(NovoTTF-100Aシステム)はTTF therapyを行う治療装置の商品名である。剃髪した頭皮にアレイと呼ばれる粘着性のシートを貼付し,脳内にTTFを発生させる。ただし,治療のためには1日最低18時間以上の装着が必要であり,約1200gのジェネレーターを常に持ち運ばなければならない。

主な合併症は接触性皮膚炎であるが,常に剃髪が必要であり,アレイを装着していなければならないことへの精神的負担も大きい。現在,わが国では初発膠芽腫でのみ保険診療が認められている。再発症例には保険適用がなく,自費診療の場合には年間数千万円と非常に高額となる。

【文献】

1) The Committee of Brain Tumor Registry of Japan:Neurol Med Chir(Tokyo). 2017;57(Suppl 1):9-102.

2) Stupp R, et al:JAMA. 2017;318(23):2306-16.

【解説】

山内貴寛 福井大学脳脊髄神経外科

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