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日常外来で効率よくマインドフルな状態に導けるような指導手順は?

No.4940 (2018年12月29日発行) P.56

八田耕太郎 (順天堂大学医学部附属練馬病院 メンタルクリニック教授)

藤澤大介 (慶應義塾大学医学部医療安全管理部/精神・神経科准教授)

登録日: 2018-12-27

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  • 実臨床では定型的な診断基準に当てはまらない人が少なからずいますが,不安が強く強迫傾向があり(不安症や強迫症の水準には至っていない),攻撃性の高い患者群の怒り・不機嫌の爆発の制御には難渋します。リラクセーションとしての呼吸法や漸進性筋弛緩法,認知行動療法的なアプローチとしてのセルフモニタリングなど,ホームワークとして指導しても部分的な実行にとどまり,時間のかかる外来診療になりがちです。
    日常の外来で効率よく自分を慈しむマインドフルな状態に導けるような指導手順について,慶應義塾大学・藤澤大介先生にご教示を頂きたく思います。

    【質問者】

    八田耕太郎 順天堂大学医学部附属練馬病院 メンタルクリニック教授


    【回答】

    【一般外来でのマインドフルネスの導入】

    (1)マインドフルネスの定義の再整理

    回答に先立ち言葉の定義を整理しておきます。マインドフルネスは,概念,プログラム,スキルのいずれを指す言葉としても用いられます。「今この瞬間の心の動きに気づき,価値判断することなく,意図的に注意を向けて関わろうとすること」1)が概念としてのマインドフルネスであり,そういった状態を体得・維持する方法のひとつがマインドフルネスのスキルの実践であり,スキルをパッケージ化したものがマインドフルネス・プログラムです。

    マインドフルネスの実証研究は,定式化された「マインドフルネス・プログラム」についてであり,技法や概念そのものの臨床効果が実証されているわけではないことに注意が必要です。

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