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摂食障害のDSM-5における変更点

No.4934 (2018年11月17日発行) P.55

田村奈穂 (国立国際医療研究センター国府台病院心療内科)

河合啓介 (国立国際医療研究センター国府台病院心療内科診療科長)

登録日: 2018-11-16

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【米国精神医学会精神疾患の診断・統計マニュアルDSM-5:2013年出版,日本語訳2014年出版でのDSM-Ⅳからの変更点】

DSM-5(米国)の分類での変更点をまず述べる。anorexia nervosa(AN)は,DSM-Ⅳで正常体重の最低下限が標準体重の85%となっているが,DSM-5では「性,年齢,発育や身体面からみて著しい低体重」となっており,具体的な数値は示されていない。下位分類でBMIによる重症度を特定する。また,DSM-5では「無月経」が削除された。DSM-Ⅳでは「幼児期または小児早期の栄養摂取および摂食障害」と「摂食障害」にわかれていたが,今回「食行動障害および摂食障害群」という新たなカテゴリーに分類・統合された1)。従来,主に幼児期や小児早期に診断される「異食症」「反芻症」「回避・制限性食物摂取症/回避・制限性食物摂取障害(ARFID)」も適応基準が拡大され,同じカテゴリーに組み込まれた。ARFIDは今後症例数が増加することも推察される。さらに,過食性障害(BED)が付属リストから独立した概念となった。

DSM-5の日本語版での大きな変更点は,ANの日本語訳を「神経性食欲不振症/神経性無食欲症」から「神経性やせ症/神経性無食欲症」,bulimia nervosa(BN)を「神経性大食症」から「神経性過食症」とした点である。ANは「食欲不振」よりも「ボディイメージの障害」や「やせ願望」である点を今回は考慮,BNは「大食」よりも「過食」のほうが一般に受け入れやすいと配慮されたと推察される。BEDは「過食性障害」と訳された2)

【文献】

1)切池信夫:臨精医. 2013;42(5):529-35.

2)河合啓介:別冊日本臨牀 精神医学症候群Ⅱ. 第2版. 2017;38:293-6.

【解説】

田村奈穂,河合啓介  国立国際医療研究センター国府台病院心療内科 *診療科長

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