株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

interventional EUS

No.4934 (2018年11月17日発行) P.55

藤澤聡郎 (順天堂大学消化器内科准教授)

伊佐山浩通 (順天堂大学消化器内科教授)

永原章仁 (順天堂大学消化器内科教授)

登録日: 2018-11-15

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

【閉塞性黄疸に対する第3の治療法】

閉塞性黄疸の治療は,経皮経肝胆管ドレナージ,内視鏡的経乳頭ドレナージの2つが主な治療法であった。経皮的ドレナージは体表に外瘻を長期間留置しなければならず,患者QOLの点から経乳頭的ドレナージが最近の第一選択であった。しかし,胆管挿管不成功や十二指腸狭窄などで不成功に終わる症例も少なくはなかった。このような症例に対し,ここ10年間で超音波内視鏡(endoscopic ultrasonography:EUS)下にドレナージを行う第3の治療法(interventional EUS)が開発され,注目されている。

interventional EUSは,コンベックス型の超音波内視鏡を用いて消化管から近接している対象を穿刺し,診断・治療を行う手技である。閉塞性黄疸に対してはEUS-guided biliary drainage(EUS-BD)と呼ばれ,①胃から肝内胆管(EUS-guided hepaticogastrostomy:EUS-HGS),②十二指腸から総胆管(EUS-guided choledochoduodenostomy:EUS-CDS),の2つの経路があり,病態により選択される。本法では急性膵炎の心配はなく,外瘻もないため患者にとってもメリットは大きい。保険適用となってはいるがまだ確立されていない手技であり,穿孔や腹膜炎などの重篤な偶発症が起きる可能性もある。各学会から出されている提言(作成委員長:藤田直孝)や,今後発表されるガイドライン(作成委員長:伊佐山浩通)などを参考として慎重に行って頂きたい。

本法は現在発展途上の手技であり,安全性の確立や専用のデバイス開発が進められている途中であるが,今後さらなる発展が見込まれる。

【解説】

藤澤聡郎*1,伊佐山浩通*2,永原章仁*2  順天堂大学消化器内科 *1准教授 *2教授

関連記事・論文

もっと見る

関連書籍

もっと見る

関連求人情報

公立小浜温泉病院

勤務形態: 常勤
募集科目: 消化器内科 2名、呼吸器内科・循環器内科・腎臓内科(泌尿器科)・消化器外科 各1名
勤務地: 長崎県雲仙市

公立小浜温泉病院は、国より移譲を受けて、雲仙市と南島原市で組織する雲仙・南島原保健組合(一部事務組合)が開設する公設民営病院です。
現在、指定管理者制度により医療法人社団 苑田会様へ病院の管理運営を行っていただいております。
2020年3月に新築移転し、2021年4月に病院名を公立新小浜病院から「公立小浜温泉病院」に変更しました。
6階建で波穏やかな橘湾の眺望を望むデイルームを配置し、夕日が橘湾に沈む様子はすばらしいロケーションとなっております。

当病院は島原半島の二次救急医療中核病院として地域医療を支える充実した病院を目指し、BCR等手術室の整備を行いました。医療から介護までの医療設備等環境は整いました。
2022年4月1日より脳神経外科及び一般外科医の先生に常勤医師として勤務していただくことになりました。消化器内科医、呼吸器内科医、循環器内科医及び外科部門で消化器外科医、整形外科医の先生に常勤医師として勤務していただき地域に信頼される病院を目指し歩んでいただける先生をお待ちしております。
又、地域から強い要望がありました透析業務を2020年4月から開始いたしました。透析数25床の能力を有しています。15床から開始いたしましたが、近隣から増床の要望がありお応えしたいと考えますが、そのためには腎臓内科(泌尿器科)医の先生の勤務が必要不可欠です。お待ちいたしております。

●人口(島原半島二次医療圏の雲仙市、南島原市、島原市):126,764人(令和2年国勢調査)
今後はさらに、少子高齢化に対応した訪問看護、訪問介護、訪問診療体制が求められています。又、地域の特色を生かした温泉療法(古くから湯治場として有名で、泉質は塩泉で温泉熱量は日本一)を取り入れてリハビリ療法を充実させた病院を構築していきたいと考えています。

もっと見る

関連物件情報

もっと見る

page top