東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会は15日、大会中に会場で従事する医療スタッフに対する報酬について、一部スタッフを除いて支払わない方針を明らかにした。
組織委員会は、医療サービスとして、選手村への総合診療所(ポリクリニック)の設置・運営、各競技会場での医務室(救護所)の運営、大会指定病院への搬送、安全な公衆衛生環境の確保などを提供するとしている。このうち、競技会場の医療サービス責任者として選手など大会関係者の救急搬送の必要性決定や関係機関との連絡調整、会場医療計画の監修などを行う「会場医療責任者」、会場での選手用医療の指揮・監督を行う「選手用医療統括者」は医師が務める。両者は大会期間中、組織委員会の非常勤の有給職員として雇用される。その一方で、それ以外の医師、看護師、理学療法士などの医療スタッフについては、組織委員会として報酬を支払わないとした。報酬を支払わないことについて宮本哲也医療サービス部長は、「病院や学会等を通じて参加していただく形で調整を進めている。病院や学会等と相談する中で、現在そのようになっている」と説明した。「会場医療責任者」は各会場に1人ずつ、「選手用医療統括者」は各競技に1人以上配置するという。
競技会場では、選手用医務室と観客用医務室を分けて設ける。観客用医務室は、東京都の「大規模イベントにおけるガイドライン」に基づき、収容人員1万人あたり1つの救護所を設置。医師2名、看護師4名を配置し、収容人員が1万人増えるごとに、医師1名、看護師2名を増員するとしている。