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腎臓病克服に向けた道筋は(柏原直樹 日本腎臓学会理事長)【この人に聞きたい】

No.4928 (2018年10月06日発行) P.8

柏原直樹 (日本腎臓学会理事長)

登録日: 2018-10-05

最終更新日: 2018-10-04

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科学で高みを追究するには
診療連携体制の裾野を広げ大きな山容の形成が必要
その結果、腎臓病克服の目標が達成できる

かしはら なおき:1982年岡山大卒。同大講師、助教授を経て98年川崎医大腎臓・高血圧内科学講座主任教授、2009年同大副学長併任。日本腎臓学会理事長、日本高血圧学会副理事長、日本心血管内分泌代謝学会理事、NPO法人日本腎臓病協会理事長。

今後10年間の日本の腎疾患対策の方向性を示した報告書が7月に厚生労働省の「腎疾患対策検討会」で取りまとめられた。検討会の座長を務めた柏原直樹氏(日本腎臓学会理事長)に、腎臓病克服に向けた道筋を聞いた。

新規透析患者10年間で10%減を目指す

─報告書の特徴と作成経緯を教えてください。

全体目標として「自覚症状に乏しい慢性腎臓病(CKD)を早期に発見・診断し、良質で適切な治療を早期から実施・継続することにより、CKD重症化予防を徹底するとともに、CKD患者(透析患者・腎移植患者を含む)のQOLの維持向上を図る」ことを掲げました。個別目標は、①普及啓発、②医療連携体制、③診療水準の向上、④人材育成、⑤研究の推進―の5つです。

成果目標を立てたことも特徴です。その1つが「2028年までに年間新規透析導入患者数を3万5000人以下に減少させる」という数値目標です。16年の年間新規透析導入患者数は約3万9000人ですから、10年間で10%減少を目指します。

報告書を取りまとめるにあたり検討会では、日本糖尿病学会や日本循環器学会、日本透析医学会のトップのほか、日本医師会や疫学の専門家、行政の代表者が参画し、皆が同じ風景をみて、今後10年間の腎疾患対策を考えようという心持ちで議論しました。

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