Bを選びます。吸入薬や経口薬を複数使用していても,喘息コントロールが悪い患者さんの場合,経口ステロイドを回避するために高額な治療であるモノクローナル抗体か気管支サーモプラスティが選択肢に入ります。この場合,長期的なコントロールがしやすい治療で,なおかつトータルでの経済的負担が抑えられるBを選ぶほうが理にかなっていると考えます。
喘息の治療の根幹は吸入ステロイド(inhaled corticosteroids:ICS)である。しかし,長時間作用性β2刺激薬(long-acting beta-agonists:LABA)との合剤(ICS/LABA)を高用量使用しても,喘息コントロールがつかない難治性の症例をしばしば経験する。上乗せ治療として,経口ロイコトリエン受容体拮抗薬(leukotriene receptor antagonist:LTRA)や長時間作用性吸入抗コリン薬(long-acting muscarinic antagonist:LAMA)を用いるが,それでもコントロールが達成できない場合,モノクローナル抗体か気管支サーモプラスティを選択することがある。ただ,これらの治療には1つのハードルが存在する。それは薬価である。
概要を表1に示したので,参照頂きたい。
ステップ4の喘息のコントロールに難渋したとき,モノクローナル抗体と気管支サーモプラスティのどちらを適用するべきか,明確なエビデンスはない。両者をhead to headで比較した臨床試験は存在しないが,間接的に比較した場合,医学的な効果はほぼ同等と考えられる1)。ただし,喘息発作による救急受診を減らす効果については,気管支サーモプラスティに良好な報告が多い。