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骨転移に対するゾレドロン酸の投与法

No.4927 (2018年09月29日発行) P.55

櫻井宏樹 (がん研究会有明病院緩和治療科副医長)

登録日: 2018-10-02

最終更新日: 2018-09-25

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【12週ごとの投与でもよい】

がんの骨転移において,骨代謝修飾薬であるゾレドロン酸(ゾメタ®)とデノスマブ(ランマーク®)は骨関連事象(病的骨折,骨手術,緩和的照射,脊髄圧迫など)を軽減する。各種ガイドラインは,骨転移が見つかった時点での開始と,投与の利益が不利益を上回る期間の投与継続を推奨している。しかし,その投与間隔,継続期間,明確な終了時期についてはまだ議論が多い。

ゾレドロン酸の投与間隔に関するランダム化比較試験の結果が,近年,相次いで発表された1)〜3)。登録患者のがん腫,試験前のゾレドロン酸の投与期間,観察期間などの違いはあれ,どの論文も4週ごと群と12週ごと群で主要評価項目の骨関連事象に有意差はなく,前者に比し後者は非劣勢と結論づけられた。副次評価項目は骨痛改善度合いに差はなく,有害事象(腎機能悪化,顎骨壊死など)も差がないか,前者のほうが多かった。骨吸収マーカーは後者のほうが高かったが,臨床症状をきたさない程度と解釈された。これらをふまえ,実臨床では投与後の急性期反応(発熱,倦怠感など)や薬価(後発薬で約1万3000円)の身体的・経済的負担や,アドヒアランスなどの理由で12週ごと投与になったとしても問題ないと考えられる。

デノスマブの投与法については,20年頃に研究結果が出る予定である。ゾレドロン酸とデノスマブの,どちらが総合的に有益であるか自体も未解決であり,今後も議論の推移から目が離せない。

【文献】

1) Amadori D, et al:Lancet Oncol. 2013;14(7):663-70.

2) Hortobagyi GN, et al:JAMA Oncol. 2017;3(7): 906-12.

3) Himelstein AL, et al:JAMA. 2017;317(1):48-58.

【解説】

櫻井宏樹 がん研究会有明病院緩和治療科副医長

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