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ECMO専門施設のあるべき姿とECMO搬送とは

No.4923 (2018年09月01日発行) P.58

清水直樹 (東京都小児総合医療センター集中治療科部門長)

清水敬樹 (多摩総合医療センター救命救急センター部長/センター長)

登録日: 2018-09-04

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  • 重症呼吸循環不全患者の救命のために体外式膜型人工肺を装着したまま搬送して専門施設へ転送する,extracorporeal membrane oxygenation(ECMO)搬送の話題を耳にします。EC MO専門施設のあるべき姿と,ECMO搬送についてのご教示を多摩総合医療センター・清水敬樹先生にお願いします。

    【質問者】

    清水直樹 東京都小児総合医療センター集中治療科部門長


    【回答】

    【専門性が高く,高度な力量を持ったチームが存在すること自体があるべき姿となる】

    ECMO施設のあるべき姿を考えるにあたっては,ECMO患者の集約化の問題を理解する必要があります。ECMOは専門性が非常に高く,医師をはじめとした治療チームがECMOに関する高い知識,経験を持っている必要があります。それ自体が患者の予後にも大きくかかわってきます。そのために,ECMOの専門性が高くない医療機関で重症呼吸不全患者が発生してECMO導入が考慮された場合には,ECMO施設のスタッフが出向いて,患者の状態などを総合的に判断して導入の有無を決定する必要があります。

    導入の適応と判断した場合でも,人工呼吸器の設定が高い呼気終末陽圧(positive end-expiratory pressure:PEEP)や高い酸素吸入濃度の場合には,人工呼吸器下での搬送は非常に危険を伴います。搬送中の心肺停止などの急変は散見されます。そのため,ECMO施設からチームで出向いて,カニュレーションを行い,ECMOを確立させてからECMO施設に搬送することが徐々に行われつつあります。

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