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わが国で行われている胎児治療の概要【胎児鏡下レーザー凝固術と胸腔・羊水腔シャント術が2012年より保険収載されている】

No.4913 (2018年06月23日発行) P.57

黒田達夫 (慶應義塾大学医学部小児外科教授)

左合治彦 (国立成育医療研究センター副院長/周産期・母性診療センターセンター長)

登録日: 2018-06-22

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  • わが国ではどのような胎児治療が行われているのでしょうか。国立成育医療研究センター・左合治彦先生にご回答をお願いします。

    【質問者】

    黒田達夫 慶應義塾大学医学部小児外科教授


    【回答】

    胎児治療は母体を介して子宮内の胎児に対して治療行為を行うもので,出生後の治療では生存が望めない疾患やきわめて重大な障害を残す胎児疾患が対象となっています。

    現在,最も多く行われている胎児治療は,双胎間輸血症候群に対する胎児鏡下レーザー凝固術です。双胎間輸血症候群は一絨毛膜双胎において両児間の胎盤吻合血管を介して双胎間に慢性の血流不均衡が起こり,両児の死亡や脳神経障害をきたす予後不良な疾患です。胎児鏡下レーザー凝固術は,胎児鏡を子宮内へ挿入して病因である胎盤吻合血管をすべてレーザー凝固して血流不均衡を改善する治療法です。

    次に多いのは,胎児胸水に対する胸腔・羊水腔シャント術です。胎児胸水は,大量に貯留すると循環不全によるうっ血性心不全から胎児水腫に至り,生後も呼吸不全などにより死亡に至る疾患です。そこで,胸水による圧排を解除するために超音波ガイド下で胎児の胸腔と羊水腔をつなぐチューブを留置して,持続的に胸水を羊水腔へドレナージする胸腔・羊水腔シャント術が行われます。胎児鏡下レーザー凝固術と胸腔・羊水腔シャント術は2012年より保険収載されています。

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