検索

×
絞り込み:
124
カテゴリー
診療科
コーナー
解説文、目次
著者名
シリーズ

睡眠薬の使いわけ:症状に応じたアプローチ

登録日: 2026.09.15 最終更新日: 2026.09.15

清田雅智 (飯塚病院総合診療科診療部長)

お気に入りに登録する

昔は睡眠薬といえばBZDを選択しがちだったが,現在では5のように様々な選択肢がある20)

(1) 体内時計の乱れへのアプローチ

体内時計系については,海外旅行で起こる時差障害(jet lag)がわかりやすい例だろう。体内時計が,現地時間に合っていないという状態である。本来の睡眠の質や性状は変わらないため,現地時間に適応さえすればよいわけである。児童がスマホやゲームに夢中になり遅くまで起きて深夜3時くらいに寝つくと,朝11時くらいにしか起きられなくなる問題と一緒である。

日本時間の午前11時は,ドバイで生活していれば朝6時でちょうどよいのだ。しかし,日本の朝6時は,深夜3時に寝る人にとっては入眠3時間後であり,副交感神経が優位な時間帯のために,起床が困難になり起立性低血圧を起こしやすくなる。これを調整性自律神経障害としてα刺激薬などで治療をすることがあるかもしれないが,個人的にはまずは睡眠の時間を調整するためにスマホの時間制限とともに入眠時間を早めるべきだと考える。

昔風に言えば,大学生が麻雀やバイトなどで徹夜をすると,午前中の講義には行かないため,不登校,退学といった状況があったかもしれないが,これの子ども版だと思うと納得できる。ただし,子どもがスマホやゲームに熱中する背景には自閉スペクトラムやOCDなどのこだわりが強い性格背景や家庭環境のストレスがないかが鍵であり,行動変容につながらない問題の本質はここにあると思われる。

jet lagを筆頭に,眠くなるタイミングがずれてしまっているのを修正するのが,メラトニンを調整するタイプの治療薬である。ラメルテオン(メラトニン受容体作動薬)は,たとえば,個人的にしばしば使うフルボキサミンが薬剤相互作用で禁忌であるため,使用時には注意が必要である。

関連コンテンツ 子どもの睡眠「眠い」「眠れない」「眠らない」〜呼吸,動き,行動にも要注意:神山 潤著,A4判24頁。患者の主訴をもとに,小児によく見る睡眠障害の症状をICSD-3に沿って分類し,プライマリ・ケアの現場でできる治療と,専門医へ紹介すべき治療に分けて解説。小児に特化した話題や睡眠治療も紹介。


1 2