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『ガイドラインのさらに一歩先』を示す,外来診療医にとって心強い診療ガイド『オフィスウロロジー医師から学ぶ 外来で使える排尿障害診療のワザ』【書評】

登録日: 2026.06.26 最終更新日: 2026.06.26

須藤 博 (大船中央病院教育研修部部長)

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松木孝和先生が編著された本書は,外来診療における排尿障害を実践的に学べる一冊である。筆者はこれまで「オフィスウロロジー」という呼称にあまりなじみがなかったが,本書を通じて,それが,外来で遭遇する泌尿器科疾患を扱う臨床知の集積であることを実感した。腎臓を専門とする内科医の立場からすると,下部尿路の問題はつい泌尿器科医にゆだねがちであったが,本書にはその領域を理解し,日常診療に活かすための多くの学びが詰まっている。

本書の魅力は,頻尿,夜間頻尿,尿意切迫感,尿失禁,排尿時痛,尿排出障害,尿閉,排尿後滴下といったコモンな症候を幅広く扱いながら,単なる教科書的整理にとどまらず,経験豊かな泌尿器科医たちのclinical pearlが随所に盛り込まれている点にある。同じ「排尿障害」や「頻尿」であっても,症例ごとに背景や対応が大きく異なることが具体的に示されており,新鮮な驚きを覚えた。まさに実地臨床の奥行きを感じさせる内容である。

巻頭言で松木先生は,「ガイドラインの枠内には収まらない様々な患者の診療に日々奮闘しているプライマリ泌尿器科の先生方から原稿をお寄せ頂くことで,その空気感が,読者の皆様の診療の助けになると考えた」と述べている。本書はまさにその言葉通り,ガイドラインをふまえつつ,個々の患者にどのように向き合うべきかを教えてくれる。

以前,あるベテラン医師に「ガイドライン通りの診療を行うのは二流三流。一流は患者ごとにその先を考える」と言われ,思わず膝を打ったものである。ひとことで言えば,本書はまさに「ガイドラインのさらに一歩先」を示してくれる,外来診療医にとって心強い診療ガイドである。

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