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内視鏡のプロが語るエコーの威力,まさに鬼に金棒!『クリニックで面白いほど腹痛が診断できる単純CTに負けない腹部POCUS活用術』【書評】

登録日: 2026.06.14 最終更新日: 2026.06.14

畠 二郎 (川崎医科大学総合臨床医学特任教授)

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このたび上梓された『単純CTに負けない腹部POCUS活用術』を拝読した。著者は,私が日頃よりご尊敬申し上げている豊田英樹先生であり,大学病院の光学医療診療部副部長の経歴をお持ちである。私の経験によれば,一般的に内視鏡専門医は消化管エコーに対して,嫌悪感に近い偏見を抱いていることが少なくない。しかしながら豊田先生は,「役に立つものは何でも取り入れる」というクレバーな思考を有しておられる。また,「ハッピー胃腸クリニック」という名称が物語るように,患者をハッピーにするという一貫したポリシーをお持ちである。こうした姿勢のもと,低侵襲なエコーに着目され,現在では同分野におけるオピニオンリーダーとして活躍されている。

本書には,豊田先生の豊富なご経験から得られた腹痛診断のエッセンスが余すところなく,かつ非常にわかりやすく記載されており,鮮明で説得力のある超音波画像が静止画のみならず動画でも提供されている。臨床医にとって腹痛の診断に悩まされることは避けがたいことだが,エコーを用いることにより腹腔内で生じている変化をリアルタイムに把握することが可能となる。こうした点からも,本書が腹痛診断における大きな武器になりうることは疑いない。

本書では,臨場感溢れる記述により,あたかも目の前に腹痛患者がいるかのような感覚で読み進めることができる。また,幅広い症例のファーストタッチを日々実践されている豊田先生ならではの迫力があり,従来の超音波テキストとは一線を画する特徴と言える。興味深く一気に読み進むも良し,その都度リファレンスとして繰り返し読むも良し,読み応えと実用性を兼ね備えた一冊となっている。

「単純CTに負けない」というフレーズに,豊田先生のプライドが覗かれる。本書は,クリニックの医師はもとより,消化器専門医,初期研修医,超音波検査士など幅広い業界の方々の強い味方になり,ひいては本邦における消化器診療のパラダイムシフトを起こしてくれるのではないかと密かに期待している。まずは一読を!


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