前回に引き続き,今回のテーマも心電図フィルタ(ECG filter)とします。『Dr.ヒロの学び直し! 心電図塾』では,これまでにノイズ(雑音)やフィルタについて何度か取り上げてきました。今回の内容も含め,以下のレクチャーを学び直してもらえれば,臨床現場で基本的に困ることはないと信じています。
◆ノイズ・フィルタに関する解説一覧
『交流(ハム)ノイズ』(No.5147,第18回)
『基線動揺(ドリフト)』(No.5162,第24回)
『筋電図』(No.5210,第46回)
『ノイズ(雑音)』(No.5273,第75回)
『フィルタの基本』(No.5289,第82回)
『実践! 心電図フィルタ【前編】』(No.5323,第98回)
前編では,交流とドリフト(基線動揺),2つのノイズへの対策までお話ししました。今回は,唯一残った“第3のノイズ”と,使用されるフィルタの話からはじめます。
▶筋電(図)フィルタの基本
3つ目に登場する心電図フィルタは,筋電(図)フィルタになります。もちろん,低減したいターゲットは筋電図〔electromyogram(EMG)〕です*1。ところで,“図”はつけてもつけなくても通じますので,カッコつきで示しておくことにします。
筋電(図)ノイズを除去してくれるフィルタには表記がいくつかあります。日本語では「筋電(図)フィルタ」ないし「筋電(図)除去フィルタ」や「EMGフィルタ」などでしょうか。以下,最初の表記を用いることにします。筋電(図)フィルタとしては,高周波除去フィルタを用いるのが一般的です。別名ハイカットフィルタですから,(特定の)カットオフ値以上の周波成分をバッサリ“切る”―そんなイメージでOKです(No.5289,第82回参照)。つまり,迎え入れる周波数の“天井”を規定する“濾し器”になります。