検索

×
絞り込み:
124
カテゴリー
診療科
コーナー
解説文、目次
著者名
シリーズ

実践!心電図フィルタ【前編】/ECG filtering in practice[Dr.ヒロの学び直し!心電図塾(第98回)]

登録日: 2026.05.01 最終更新日: 2026.05.01

お気に入りに登録する

皆さん,こんにちは。ゴールデン・ウィークまっただ中ですね。完全に“オフ”という方,いや“仕事モード”です…という方もいるでしょう。貴重な連休ですが,“すき間”を使って少しだけ心電図を学習しませんか?

今回のテーマは,心電図フィルタ(ECG filter)です。2回にわけて,丁寧かつ実践的な話をしたいと思います。なお,『Dr.ヒロの学び直し! 心電図塾』では,“フィルター”ではなく“フィルタ”と記載する約束でした。簡単な復習もしながら具体的な内容に入っていきましょう。では,スタート!

▶簡単に“おさらい”しよう

1枚の心電図には,心臓由来のシグナル(波形)以外に,様々なノイズ(雑音)が混入します(図1)。まず,標準的な心電計で記録できるシグナルは,0.05~150Hzの周波数帯となっています。なお,周波数とは,波の“横幅”的な特性に関連し,単位はヘルツ(Hz)でしたね。もし,忘れていたら,高校の教科書を見直しましょう(笑)。

心電図の主要周波数帯は,おおむね1~40Hz)とされます(図1)。いや,「30Hz」だろと言う方もいそうですが,後編で扱う筋電(図)フィルタのことを考えて,そして何と言っても,“んでんず”と考え,“4がらみ”の数値としておきました(悪くない線だと思います)。また,あくまで“目安”であって,文献によっても若干異なるのですが,P/T波:1~10Hz),QRS波:5~40Hz)くらいに思っておきましょう*1

図1には示していませんが,ST部分(ST-segment)は0.05~0.5(1)Hzが主な周波数と思っておいてほしいです(No.5289,第82回参照)。

ノイズ(noise)に関しては,外的,内的に大きく分類し,成因や対処まで既に解説しています(No.5273,第75回参照)。心電図のフィルタリングの基本は,これからの2回にわたるレクチャーを理解する上で大事です。フィルタとは,余計なモノをこそぎ落とす“濾し器”だと考えればよいと思います。

基本的な除去フィルタは2種類あって,周波数が低い成分と高い成分がターゲットになります。

◆すべて同義語ととらえよう(~フィルタ)
・低周波除去=ローカット=ハイパス
・高周波除去=ハイカット=ローパス

低周波(目安:0.5~1Hz未満)成分を除去するフィルタは,そのままローカットでOKですよね? 一方,“濾し器”の機能としては,「~以下をカット(通さない)」と「~以上はパス(通す)」は同じことです。つまり,ローカットフィルタとハイパスフィルタは同義語なんだと考えて下さい*2

反対に,高周波(目安:20Hz以上)ノイズの除去をするのがハイカットフィルタです。こちらはローパスフィルタと言ってもバチは当たりません(あまり言いませんが)。実用的には,低周波と高周波の2つの除去フィルタで両端を挟んで,バンドパスフィルタの形式で用いるのでしたよね(図2)。

これは,取り出したいシグナルに対して,周波数の“床”(下限)と“天井”(上限)を定めるアクションにほかなりません(No.5289,第82回参照)。ここまでが,簡単なおさらいでした。

心電図フィルタに関連する代表的なノイズには3種類あって,以下,うち2つについて解説します。


*1 P/T波やQRS波は(波として)“横幅が何秒か”を考えると,イメージにも合致するでしょう。
*2 基本的には“除去”(cut)で覚えておき,“~cut”と“~pass”の言い換えを,low⇔highとして下さい。

プレミアム会員向けコンテンツです(連載の第1~3回と最新回のみ無料会員も閲覧可)
→ログインした状態で続きを読む


1