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ST上昇の鑑別診断【後編】/Differential diagnosis of ST-segment elevation[Dr.ヒロの学び直し!心電図塾(第93回)]

登録日: 2026.02.20 最終更新日: 2026.02.20

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皆さん,ご機嫌いかがですか。今回のテーマも「ST上昇の鑑別診断」です。“ST-ELEVATION(S)”の語呂合わせに沿って,前編では「早期再分極,Early repolarization」まで解説しました。今回は,その先を解説していきたいと思います。では,スタート!

▶残りも1つずつ丁寧に

V:左室肥大

Vは,“(left) Ventricular hypertrophy”(LVH)で左室肥大と考えて下さい。バイタルサインも安定していて胸部症状も欠くケースが圧倒的に多く,肥大した心筋の“相対的虚血”というよりは,経験則的な理解・解釈でよいと思います。キー所見である,高電位差と特徴的なST-T変化(ストレイン型など)は側壁誘導(Ⅰ,aVl,V5,V6)を中心に時に下壁誘導(Ⅱ,Ⅲ,aVf)でも認められることは知っておきたいものです。

一方の「ST上昇」は,左脚ブロック(LBBB)と同様にV1〜V3(4)で認められます。ただ,この点は躍起になって覚える必要はありません。LVHの心電図は見た目も派手なため,見逃されにくいです。仮に「ST上昇」に気づいたとしても,「フムフム,でも,エルブイエイチあるしね」といった考え方ができれば十分です。実際の心電図(図2)を提示しますが,この場合V1,V2でST上昇が認められています。その他の所見も完璧で,これを見て,LVHの診断を忘れる方は多くないと思います。

これは,いわばフェイクのST上昇なわけです。間違っても,ST上昇からLVHを想起しなきゃ,とは考えないほうがよいです。逆に言えば,高血圧や弁膜症を含め,LVHの背景疾患を有する高齢者が,胸痛を訴えてやって来た場合にはご注意下さい*1


*1 ベースライン波形で存在するST変化を差し引いて考えなくてはなりません。

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