優秀なスタッフを採用するために,面接時には応募者の人間性やスキルを正確に見きわめる必要があるというのは言うまでもないことです。面接の際に,そもそもクリニックの選考基準があいまいだと,採用ミスマッチが起こる可能性があります。また,採用選考にあたっては応募者のほうでもクリニックを見きわめているため,面接官が高圧的な態度で臨むと,辞退されることにもなりかねません。面接官と応募者がお互いに納得のいくコミュニケーションをとり,長期的に活躍してくれるスタッフを迎え入れるためには,しっかりとした準備が欠かせません。今回は,面接の際に押さえておくべきポイントについて解説します。
適切な選考基準の設定方法
まず,採用する職種に合わせて選考基準を設定する必要があります。たとえば,医療事務を採用したい場合は,パソコン操作やレセプト実務の経験を重視するとともに,接遇時のコミュニケーション能力にも注目します。看護師採用の場合は,夜勤対応や緊急時の判断力,そして患者さんへの細やかな気配りなどをうかがい知ることができるようなエピソードを面接で聞けると,判断材料になるでしょう。
クリニックのスタッフ数や診療科目の特性などを考えながら,実務能力に加えて,応募者の人間性を評価することも忘れてはいけません。医療スタッフの質の向上には組織の一体感が必要なので,チームワークを発揮できるかどうかも必ずチェックしましょう。
面接の前の準備段階で,求めるスキルや人物像を具体的に言語化しておくことが大切です。本連載第4回「効果的なペルソナの作り方」も併せて参照して下さい。