急激な物価高騰などが病院運営を圧迫し、東京都内の病院の約7割が赤字に陥っているとして、小池百合子都知事は11月12日、「2026年度改定での診療報酬の大幅引上げ」などを求める緊急提言を上野賢一郎厚労相に提出した。
緊急提言に盛り込まれた要望は①物価・人件費等の高騰を踏まえた診療報酬の抜本的見直し、②大都市の地域特性を反映した制度設計、③物価・賃金の上昇を速やかに診療報酬に反映する仕組みの導入─の3点。
都の調査によると、物価高騰などの影響で2024年度の都内病院の医業赤字割合は2019年度の50.4%から67.9%に増加。都は2026年度・2027年度の医業費用の増加を診療報酬で賄うための改定率も試算し、2026年度診療報酬改定で「少なくとも約10%の本体部分の改定が必要」としている。
地域特性については、大都市の物価・人件費水準の高さが影響し、都内の民間の一般病院における100床当たり医業費用は全国平均の1.6倍に達していると指摘。大都市の特性を十分に考慮した診療報酬体系への見直しを求めている。