質問
開院以来,スタッフの離職が多くなかなか定着しない,成長スピードも遅いという,人事に関する問題を抱えています。社会保険労務士からは,「人事評価制度を導入したほうが良い」とアドバイスを受けました。実際に制度をつくったほうが良いのでしょうか。導入するならば,どのような制度が必要なのでしょうか。
回答
離職の原因や成長阻害要因を正しく把握し,対策することが重要で,評価制度があれば解決するということではありません。重要なのは制度の目的を明確にし,それをしっかり運用することです。制度を日常運用に落とし込むことで,人材に関する様々な問題を解決するきっかけにはなりますので,今回は人事評価制度のポイントと実例についてご説明します。
令和6年雇用動向調査での「医療,福祉」産業の離職率は13.8%です2)。この年の調査では全産業の平均離職率が14%超であるため,際立って高い数字ではありませんが,専門性・熟練度が一般サービス業よりも必要とされる業界ですので,採用・教育コストを考えると,やはり離職率は低く抑えておきたいところです。離職の原因をふまえ,適切な人事評価をすることで,スタッフを定着させましょう。