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酩酊患者の対応[病院トラブル─事務方の解決法〈season 2〉(21)]

登録日: 2025.11.18 最終更新日: 2025.11.20

大江和郎 (元東京女子医科大学附属成人医学センター事務長)

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深夜に酔っぱらって搬送されてくる患者さんが多く,対応に困っています。付き添いがいれば楽なのですが,1人だけで搬送されてくると,手こずる場合もあります。どう対処すればよいのでしょうか。

事務長の見解

複雑酩酊患者や病的酩酊患者が搬送され迷惑行為が生じた場合には,即,警察に通報し,警察官の介入により対処すること!

詳しく解説すると……

◆酩酊患者の対応に苦慮する医療機関

少し古い資料になりますが,2008年に,大阪府健康福祉部保健医療室医療対策課が「救急医療現場における患者の迷惑行為に関する調査」を行いました。この調査は大阪府内322病院に対して実施され,酩酊患者と救急受け入れに関する結果も報告されています。

報告書では,飲酒が「迷惑行為に影響があると思われる」と回答した施設が93%でした。迷惑行為による影響内容としては,診療行為が滞る(76%),多数の人手がとられる(73%),関係者が疲弊する(60%),未収金が多く救急部門の換算性への影響が大きい(49%)の4項目が上位を占めています。また,迷惑行為を懸念して搬送受け入れを断ったことがあると回答した施設は65%でした。迷惑行為に対して「警察への通報」が有効であると183施設が回答しており,警察の介入がなければ問題解決が図れない状況もうかがえます。

WEBコンテンツ「病院トラブル 事務方の解決法」

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