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変形性膝関節症の診断と治療[〈from総合医育成プログラム〉プライマリ・ケアで役立つクリニカルパール(21)]

登録日: 2025.11.07 最終更新日: 2025.11.12

仲田和正 (西伊豆健育会病院院長)

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整形外科編③ 日本プライマリ・ケア連合学会監修

本連載では,日本プライマリ・ケア連合学会/全日本病院協会が実施している「総合医育成プログラム」の中から,選りすぐりのクリニカルパールを紹介します。現場のニーズを熟知しているエキスパートが,プライマリ・ケア医にとって「まさにそこが知りたかった!」というポイントをわかりやすく解説します。

今回のクリニカルパール 変形性関節症(OA)で運動(ウォーキング,太極拳など)は最も有効。
膝伸展筋の筋力維持は重要。弱いと変形性膝関節症を起こしやすい(OR 1.65)。
OAで局所NSAIDsは全身作用・リスクが低く,第一選択。過小評価されている。
ステロイド関節内注入は短期除痛に有効。ヒアルロン酸やPRPは無効。
関節置換25年サバイバル率は膝82.3%,股57.9%,UKA 69.8%で,UKAは勧めない。

1 変形性関節症(OA)で運動(ウォーキング,太極拳など)は最も有効

JAMA, Feb. 9, 2021に,「変形性関節症の診断と治療」という素晴らしい総説(Review)があります1)。1957年から2020年までの過去64年間の論文をまとめ,統計的手法でデータを定量的に結合したのです。その治療効果の変数としては,標準化平均差(standardized mean difference:SMD)を用いました。

たとえば,SMD 0.52というのは,偏差値でいうと55.2というところです。つまり,変形性膝関節症に対する治療効果は,表1の通りになり,なんと太極拳やヨガなどの運動が最上位になったのです。

私は今まで,変形性関節症(osteoarthritis:OA)に対してマラソンのような運動は禁忌だと思っていましたから,その運動が最善の治療だということは,仰天の結果でした。

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