バイオジェン・ジャパンは、脊髄性筋萎縮症(SMA)治療薬「スピンラザ」における高用量投与レジメンが9月19日に新用量医薬品/剤型追加の承認を取得したことを受け、10月15日にメディアセミナーを開催した。登壇した東京女子医科大学の齋藤加代子名誉教授(写真)は「SMA治療が新時代に入ったといえる」と期待を示した。

SMAは主に乳児期から小児期に発症する進行性神経疾患で、SMNタンパク量の産生不足が原因とされている。
スピンラザはSMN2スプライシング修飾を作用機序とする髄腔内投与の核酸医薬で2017年に12mgのレジメンで薬事承認された。PK/PDモデルの予測から用量依存的な治療反応が示唆されたことから、同社は高用量レジメン(50mg、28mg)の開発に着手。臨床第Ⅱ/Ⅲ相無作為化用量漸増対照試験で、乳児型SMA患者の主要評価項目である運動機能の定量的評価において統計学的な優位な改善を示した。
齋藤氏は試験結果を説明した上で、「投与期間が長くなるとどうしても効果は薄れてくる。高用量レジメンの承認で、より高い運動機能と予後の改善が期待でき、治療の新たな選択肢となる」と述べた。
スピンラザ髄注50mg/28mgの用法・用量
初回および初回投与2週間後に50mgを投与し、以降4カ月の間隔で28mgの投与を行うこととし、いずれの場合も1~3分かけて髄腔内投与