中央社会保険医療協議会総会は10月17日、かかりつけ医機能の評価や生活習慣病の管理などを巡り議論した。この中で支払側は、かかりつけ医機能報告を踏まえた「機能強化加算」の施設基準見直しや「生活習慣病管理料(Ⅰ)」の評価の適正化などを要求したが、診療側は強く反発した。
かかりつけ医機能を担う医療機関としての体制を評価する「機能強化加算」では、かかりつけ医機能報告の報告項目に合わせた施設基準の見直しが論点となっている。
支払側の松本真人委員(健康保険組合連合会理事)は施設基準に、一次診療の対応可能な診療領域・疾患、かかりつけ医機能に関する研修の修了、即日結果が出る検査体制の確保、ポリファーマシー対策の実施、外来データの提出─などを追加することを提案。鳥潟美夏子委員(全国健康保険協会理事)は、「1号機能をすべて満たす医療機関の評価を創設するなど、かかりつけ医機能関連加算の一本化も含め、全体の見直しを検討するべき」と述べた。
こうした意見に診療側の江澤和彦委員(日本医師会常任理事)は、かかりつけ医機能報告は地域におけるかかりつけ医機能を医療機関の連携による面で確保することを目的とした仕組みであり、制度の趣旨が異なる診療報酬上の評価とは切り分けて考えるべきと反論した。
■「生活習慣病管理料」は前回改定の修正にとどめるべき─診療側委員
生活習慣病の管理では「生活習慣病管理料(Ⅰ)、(Ⅱ)」の算定を巡り、①受診・検査頻度が低い患者では包括評価の「管理料(Ⅰ)」、それ以外の患者は検査等を出来高算定できる「管理料(Ⅱ)」の算定が多い傾向にある、②「管理料(Ⅱ)」の算定患者の一部に半年間1度も血液検査の実施がない患者が存在する─ことなどが問題視されている。
この点について支払側の松本委員は、「管理料(Ⅰ)」の評価を検査等の医療資源投入量に合わせて適正化することや、関係学会の診療ガイドラインに沿った検査等の実施を要件化することなどを提案。これに対し診療側の江澤委員は、24年度改定では生活習慣病関連の評価が大きく見直されたことから医療機関はいまだその対応過程にあるとし、「次期改定は臨床現場の実態を踏まえた修正を優先すべき」と2回連続での大幅見直しに反対姿勢を示した。