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■NEWS 原価計算方式の製品総原価開示が進まない現状を問題視─薬価専門部会

登録日: 2025.10.16 最終更新日: 2025.10.16

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中央社会保険医療協議会薬価専門部会は10月8日、2026年度薬価制度改革に向けた課題としてイノベーションの評価や市場拡大再算定を巡り議論した。新薬の薬価算定における原価計算方式では支払側・診療側委員ともに製品総原価の開示が進まない現状を問題視。関係業界は、開示度50%未満の品目では補正加算がついても実質的に薬価に反映されない現行ルールの見直しを求めている。

新薬の薬価算定における原価計算方式では、薬価算定の透明性確保の観点から製品総原価の開示度に応じた加算係数を設定し、開示度が低い品目ほど薬価が低くなる仕組が導入されている。最も低い開示度50%未満の係数は当初0.2だったが、22年度薬価改定ではこれを0に厳格化する見直しが行われた。だが、この見直し後に原価計算方式で薬価算定された成分の7割超は開示度50%未満となっており、開示が進んだとは言い難い現状にある。

関係業界はこの理由について、医薬品のサプライチェーンの複雑化で原価の詳細開示が難しくなっているためと説明。開示度50%未満の加算係数を0とする現行ルールの見直しを要望している。

これに対して各側委員からは、「一企業としての対応が難しいなら業界全体として開示に向けた環境整備をするなど、現行ルールの中で開示度向上の取り組みを継続するのが公的医療保険制度の薬価のあり方として目指すべき方向」(江澤和彦委員・日本医師会常任理事)、「サプライチェーンの複雑化は一定程度理解するが、一方で透明性確保はきわめて重要」(松本真人委員・健康保険組合連合会理事)など、業界に一層の取り組みを求める厳しい声が上がった。

■年間販売額がきわめて大きい品目の特例拡大再算定は維持で一致

市場拡大再算定についても関係業界は、類似品にも再算定が適用される共連れルールと年間販売額がきわめて大きい品目が対象の特例拡大再算定の廃止を強く求めているが、各側委員ともに現行ルールを存続すべきとの認識で一致した。


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