中央社会保険医療協議会総会は10月8日、一般的な急性期機能や拠点的な急性期機能を担う病院の評価のあり方を巡り議論した。医療機関機能報告の創設を見据えたもので、「急性期一般入院料1」の施設基準における救急搬送受入・全身麻酔手術件数の要件化や「総合入院体制加算」と「急性期充実体制加算」の統合の是非が主な論点となった。
現行の診療報酬で一般的な急性期機能を評価する「急性期一般1」の算定病院について、厚生労働省は、①救急搬送受入や全身麻酔手術の件数は「急性期一般2〜6」と同程度から多い施設までばらつきがある、②救急搬送受入件数が多いほど施設当たり医業収益、医業費用が大きくなり、医業利益率は低下する▽救急搬送受入件数が増えると許可病床数、病床当たり医師数、全身麻酔手術件数が増える傾向にある─ことを指摘。
同じ入院料を算定していても、病院の機能によって許可病床数当たりの救急搬送受入件数や配置医師数、収入構造等は異なるとし、こうした点を踏まえた評価の検討を総会に求めた。
これを受けて支払側の松本真人委員(健康保険組合連合会理事)は、「急性期一般1」の施設基準での救急搬送受入や全身麻酔手術の実績要件設定を提案したが、診療側は病院経営への影響を懸念し、慎重な検討を要請した。
■加算の統合には反対、次回は手直しにとどめるべき─診療側・江澤委員
一方、幅広い診療と高度・専門医療への対応が求められる拠点的な急性期機能を担う病院の評価では、「総合入院体制加算」と「急性期充実体制加算」の統合・一本化が検討課題の1つ。同日の会合では、両加算の施設基準には共通する部分もあるが、どちらか一方しか設定されていない基準があり、報酬水準にも差がある点が議論となった。
両加算の統合でも各側の意見に隔たりがあり、支払側は賛成したが、診療側の江澤和彦委員(日本医師会常任理事)は、「次期改定ではそれぞれの加算の趣旨を生かしつつ、施設基準のハードルを上げることなく、柔軟に手直しを図っていくべき」と反対の構えを示した。