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■NEWS 前回改定時の控除対象外消費税の補てん状況調査に誤り─厚労省が陳謝

登録日: 2025.10.09 最終更新日: 2025.10.22

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厚生労働省は10月8日の「診療報酬調査専門組織・医療機関等における消費税負担に関する分科会」で、2024年度診療報酬改定の基礎資料となった控除対象外消費税の補てん状況調査について、20〜22年度の補てん率の集計に誤りがあったことを説明し、陳謝した。当初の調査結果では、いずれの年度も全体の補てん率が100%を超えていたため、24年度改定時には診療報酬の上乗せ点数の見直しが行われなかった。修正データでは22年度に補てん不足が生じていたことが判明し、診療側は強い憤りを示した。

誤りの内容は、課税支出への水道光熱費の計上忘れや誤った年度のデータの使用など。厚労省は再発防止策として、「複層的なチェック体制を構築するとともに、これまでの補てん状況把握の方法と同水準の精緻さを維持しつつ、より簡素に集計的ヒューマンエラーが出にくい手法を検討する」と説明した。

■修正後の22年度補てん率は医科全体99.3%、病院103.7%、診療所89.5%

修正後の医科・歯科・調剤を合わせた全体の補てん率は、20年度が108.3%(修正前103.9%)、21年度が102.2%(104.5%)、22年度が98.9%(106.1%)となり、22年度は補てん不足であったことが明らかになった。22年度の医科全体の補てん率は99.3%(107.1%)、その内訳は病院103.7%(112.8%)、診療所89.5%(94.6%)となっている。

24年度改定時には調査結果を踏まえ診療報酬上の対応を行わない決定が下されただけに、診療側の長島公之委員(日本医師会常任理事)は、「判断の前提が崩れた。正しいデータが出ていればもっと上乗せすべきという議論になっていたはずだ」と非難し、再発防止の徹底を求めた。このほか支払・診療側の双方から、基本診療料に上乗せする現行の補てん方法は、全体としての補てん率が100%となった場合でも個別医療機関の補てん率には大きなバラツキが生じるなどの課題があり、抜本的な見直しが必要との意見が示された。

一方、同日の分科会および中央社会保険医療協議会総会では、26年度改定に向けた補てん状況調査の実施案が了承された。新たな調査手法を確立する時間的余裕はないため、今回までは医療経済実態調査とレセプト情報・特定健診等情報データベースのデータを用いる従来の方法で、23年度および24年度の補てん状況を把握する。結果の報告は12月となる見通し。


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