検索

×
絞り込み:
124
カテゴリー
診療科
コーナー
解説文、目次
著者名
シリーズ

分院のホームページをどのように作成するか〜皮膚科医のケース[〈失敗から学ぶ〉医療機関ネット戦略のケーススタディ(12)]

登録日: 2025.10.14 最終更新日: 2025.10.20

河村伸哉 (株式会社日本経営 Wevery! 創業者)

お気に入りに登録する
ご相談内容
6年前に皮膚科クリニックを開業し,地域に密着した診療を続けてきました。このたび,隣接する市に分院を立ち上げることとなり,半年後の開業をめざして準備を進めています。本院と分院はともに皮膚科を主とし,診療内容や方針はほぼ同一です。ホームページ制作会社から,「分院専用のホームページを本院ホームページのサブディレクトリとして作成するほうが検索エンジン最適化(SEO)上有利」との提案がありました。具体的には,現在運用している本院ホームページ(https://honin-hifu.com)に対して,分院ホームページを「https://honin-hifu.com/bunin」という形で構築する方法です。
SEOにおける「信頼性が引き継がれる」という説明は理解できるものの,分院が独立して地域に根づくことを考えると,本院の地域名を含むURLを使うことに違和感があります。また,このURLでは「分院が本院の内部に組み込まれている」という印象を与える点にも懸念があります。ホームページ制作会社は,診療内容がほぼ同一であるため,疾患や治療に関するページは本院ホームページに既にあるものを流用し,分院用には新規作成しない方針とのことです。本院のブランド力を活かしながら,分院が別地域で信頼を築くために,この戦略が本当に適切なのか,ご意見を頂きたいです。
河村よりご回答
「サブディレクトリ=SEOに強い」は半分正解。分院の“自立性”設計が鍵。
今回のご相談の核心は,「本院と分院の関係性をURLでどのように表現するか」です。ホームページ制作会社の提案するサブディレクトリ構成とは,「https://honin-hifu.com」に対して『スラッシュ(/)』で区切られたURLのことです。たとえば,『/bunin』を加えた「https://honin-hifu.com/bunin」という形式です。Googleのガイドラインによると,“同一テーマのコンテンツについては,サブディレクトリ構成が有利”とされています。これは検索エンジンが評価を一元化しやすく,既存のホームページの信頼性を引き継ぎやすいためです。
しかし,この構成では,分院が本院の「一部」という印象を与えやすく,Google側でも「このホームページは,本院の下位である」とみなし,本院と同等以上の評価を得にくくなる可能性があります。
また,「信頼性を引き継ぐ」というより,「本院の信頼性の下に分院が位置づけられる」というイメージが正確です。分院が別地域にあり,検索需要も異なる場合,分院が本院の影に隠れ,地域での認知や信頼形成が遅れるといったリスクがあります。ここが今回の分院におけるホームページ戦略を判断する上での重要なポイントとなります。

書籍「 クリニック広報戦略の教科書【電子版付】 」

プレミアム会員向けコンテンツです(連載の第1~3回と最新回のみ無料会員も閲覧可)
→ログインした状態で続きを読む


1