福島県立医大ふくしま子ども・女性医療支援センターの小川真里子特任教授(写真)は9月24日、あすか製薬ホールディングス主催のメディア向けセミナーで講演し、プロゲスチンのみの経口避妊薬「スリンダ錠28」(一般名:ドロスピレノン)が新たに承認・発売されたことの意義などについて解説した。
経口避妊薬にはエストロゲン・プロゲスチン配合薬(COC)とプロゲスチン単剤ピル(POP)の2種類があるが、POPは出血コントロールが劣り、内服時間の厳格さが求められることから、日本ではこれまでCOCが使用されてきた。しかし、エストロゲンを含有するCOCには血栓リスクが上がるなどの問題があった。
小川氏は、POPのスリンダ錠の承認(今年5月)によりCOCの禁忌・慎重投与該当者(35歳以上の喫煙者、片頭痛、高血圧症など)を含め「より多くの女性が経口避妊薬を使用できるようになる」と強調。女性主体の避妊の選択肢が増えることで「意図しない妊娠」が減ることに期待感を示した。
一方で「血栓リスクの心配がない場合は、月経の調節性や不正出血の少なさなどからエストロゲン含有製剤のほうが使いやすいと思う」と述べ、ケースに応じたCOCとPOPの使い分けを臨床現場に求めた。
「スリンダ錠28」の効能・効果/用法・用量
【効能・効果】避妊 【用法・用量】1日1錠を毎日一定の時刻に白色錠から開始し、指定された順番に従い28日間連続経口投与(24日間実薬投与→4日間プラセボ錠投与)