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FOCUS:呼吸器内科の身体診察 〈頸部・胸部からのメッセージに応える〉

登録日: 2025.09.26 最終更新日: 2025.09.26

喜舎場朝雄 (沖縄県立中部病院呼吸器内科部長)

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沖縄県立中部病院呼吸器内科部長

喜舎場朝雄

1991年自治医科大学医学部卒業。沖縄県立中部病院で初期研修を修了し,2つの県立病院診療所勤務などを経て,2002年から沖縄県立中部病院呼吸器内科勤務。2007年から同呼吸器内科部長,2009~2010年にロンドンのRoyal Brompton Hospitalに留学し,2021年から医療部長兼呼吸器内科部長として現在に至る。研修医教育に携わり,身体診察・胸部画像所見の解釈を伝授しながら,間質性肺炎の臨床研究に取り組んでいる。著書に『間質性肺炎のみかた,考えかた』(中外医学社,2022)などがある。

私が伝えたいこと

◉呼吸器内科診療において頸部・胸部の診察はきわめて重要である。

◉頸部の呼吸補助筋の評価は生理学的な異常の予測につながる。

◉頸静脈では呼吸性変動に着目する。

◉胸部聴診では吸気と呼気をしっかり意識して雑音を聴取する。

◉吸気に聴取されるcracklesをphaseにも留意して評価することで,病態生理の推定が可能になる。

❶ はじめに

臨床に携わる医師にとって,患者の問題を抽出する過程における身体診察の重要性は高い。本稿では呼吸器疾患における身体所見の中で,頸部と胸部での所見の取り方について具体的に述べる。

❷ 頸部の診察

慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease:COPD)では呼吸補助筋である胸鎖乳突筋の肥大がみられることがある(11。20 pack-year以上の喫煙歴があり労作時呼吸困難がある患者で,胸鎖乳突筋をチェックし肥大があれば呼吸機能検査を施行してCOPDの診断をする。急性期には胸鎖乳突筋の使用も視診でわかるので(動画1),呼吸困難の原因を解明し速やかに対応する。肥大は慢性の病態を反映し,使用は急性期の呼吸の負荷を意味する。

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