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睡眠時無呼吸症候群(SAS)[私の治療]

登録日: 2025.09.28 最終更新日: 2025.09.26

佐藤 晋 (京都大学大学院医学研究科呼吸管理睡眠制御学講座特定准教授)

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睡眠時無呼吸(sleep apnea:SA)には,閉塞性睡眠時無呼吸(obstructive sleep apnea:OSA)と中枢性睡眠時無呼吸(central sleep apnea:CSA)があり,多くがOSAである。わが国の中等症以上の睡眠時無呼吸症候群(sleep apnea syndrome:SAS)の患者数は,900万人と推計される1)
OSAは,いびきや睡眠中の無呼吸,日中の傾眠などを主訴とし潜在患者も多い。重症例では脳血管,心循環系の疾患など重篤な疾患の合併により,長期生存率が低下する。日中の傾眠,居眠り運転が社会問題となっている。

▶診断のポイント

正確な診断には夜間睡眠ポリソムノグラフィー(polysomnography:PSG)が必要で,睡眠1時間当たりの閉塞性無呼吸低呼吸指数(apnea hypopnea index:AHI)をもとに診断する。

スクリーニング検査として,夜間睡眠時の酸素飽和度の低下指数(oxygen desaturation index:ODI)の計測,在宅睡眠検査(home sleep apnea test:HSAT)によるrespiratory event index(REI)も有益である。

【症状】

いびき,日中の眠気,起床時の頭痛,倦怠感,夜間頻尿,夜間の呼吸停止。

【検査所見】

無呼吸の定義は「10秒以上の呼吸停止」である。低呼吸を含め,学会推奨基準をもとにして判定する。脳波等から判断された睡眠時間中の無呼吸,低呼吸の総数からAHIを算出する。正常はAHI<5である。


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