薬事審議会医薬品第一部会は8月29日、サノフィが申請していた片頭痛発作治療薬「ナルティークOD錠」(一般名:リメゲパント硫酸塩水和物)について、国内での製造販売を承認して差し支えないとの結論をまとめた。
リメゲパントは、経口カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体を可逆的に阻害するCGRP受容体拮抗薬。CGRPは片頭痛発作中に血中で増加することが知られており、血管を拡張し、疼痛シグナルの伝達に関与すると考えられている。リメゲパントはCGRP受容体を可逆的に阻害することで、片頭痛の諸症状を軽減する効果が期待される。
申請は、2024年11月に18歳以上の片頭痛患者を対象に行われた国内第Ⅱ/Ⅲ相臨床試験、国内第Ⅲ相臨床試験および海外臨床試験の結果に基づいて行われた。
同剤は2025年6月時点で、急性期治療の適応は52を超える国または地域、発症抑制に係る適応は49を超える国または地域で承認されている。
国内では、抗CGRP抗体としてエムガルティ、アジョビ、アイモビーグが片頭痛発作の発症抑制(予防療法)の適応で承認されている。既存薬はいずれも注射薬(皮下注)で、同剤が承認されれば、CGRPを標的とした初の経口薬となる。
「ナルティーク」の用法・用量
通常、成人には急性期治療では片頭痛発作時に1回75mg、発症抑制としては75mgを隔日経口投与する