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大腿骨近位部骨折を見逃すな![〈from総合医育成プログラム〉プライマリ・ケアで役立つクリニカルパール(19)]

登録日: 2025.09.15 最終更新日: 2025.09.22

仲田和正 (西伊豆健育会病院院長)

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整形外科編① 日本プライマリ・ケア連合学会監修

本連載では,日本プライマリ・ケア連合学会/全日本病院協会が実施している「総合医育成プログラム」の中から,選りすぐりのクリニカルパールを紹介します。現場のニーズを熟知しているエキスパートが,プライマリ・ケア医にとって「まさにそこが知りたかった!」というポイントをわかりやすく解説します。

今回のクリニカルパール大腿骨頭の上と下で,なだらかなS字が引けることを確認する。
ただし骨折で下肢が外旋すると,上のS字は短縮する。
大腿骨頸部内側の皮質骨の延長線が,大腿骨骨幹部の皮質骨に一致するか確認する。

1 大腿骨頸部骨折の診断

骨折の診断は一般的に簡単です。皮質骨を丹念に追いかけていけばよいのです。皮質骨が途切れたところが骨折です。しかし特に大腿骨近位部骨折,とりわけ大腿骨頸部骨折で転位があまりない場合は見逃されます。

では,大腿骨頭標本を正面から見た図1を見てみましょう。骨頭の上にも下にも,なだらかなS字を描ける(白矢頭)のがおわかり頂けると思います。「なだらかなS字を引けるかどうかに注意」して頂きたいのです。もしこの上下のS字が乱れていたら,骨折を考えます。なお股関節X線の読影では,腹部写真でなく股関節に焦点を当てた写真で行います。腹部X線だとX線は股関節に対して斜めに入るため,股関節を上から見下ろした像になり,判断しにくいのです。

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