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炎天下の庭仕事中に熱中症となり搬送後に死亡[〈今日使える〉死亡診断書・死体検案書の書き方・考え方〜当直・在宅・事故(13)]

登録日: 2025.09.08 最終更新日: 2025.09.22

久保真一 (福岡大学名誉教授) 井濱容子 (横浜市立大学医学部法医学教授)

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【症例】

74歳,男性。8月の炎天下にもかかわらず,午後0時頃から1人で自宅の庭の草刈りを始めた。午後3時になっても戻って来ないので,妻が様子を見に行くと,庭の日陰でうずくまっていた。慌てて脇を抱えて室内に入れたが,抱えた体は熱く,生あくびを繰り返してだるそうにしていた。ややぼんやりとしている印象であったが会話は可能であり,本人が「少し頭が痛いが,昼寝をしたらよくなる」と言うので,扇風機をかけた室内で横になっていた。

午後7時,妻が夕食のために声をかけたところ反応がなく,揺すっても目を覚まさないため,救急車を要請した。救急隊が到着した時点で全身の痙攣がみられ,体温は42℃であった。救急車内で心肺停止となり,搬送先の病院で心拍が再開したが,低酸素脳症の状態であった。著明な高体温と脱水所見があり,血液検査では横紋筋融解症が指摘され,しだいに急性腎不全の悪化が認められた。入院から2週間後に多臓器不全で死亡した。

救急搬送先の医師として,死亡診断書(死体検案書)の交付を求められた。

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