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高齢者大動脈弁狭窄症(AS)と経カテーテル大動脈弁置換術(TAVI):その適応と限界[J-CLEAR通信(157)]

No.5187 (2023年09月23日発行) P.34

日置紘文 (帝京大学附属病院循環器内科)

登録日: 2023-09-25

最終更新日: 2023-09-25

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世界的に,先進諸国では人口に占める高齢者の割合が多くなっていることは周知の事実である。世界保健機関(WHO)の定義では,高齢者は65歳以上の人のことを指し,65~74歳が前期高齢者,75歳以上が後期高齢者と呼ばれ,わが国では今後50年間に約4人に1人が75歳以上となると推定されている1)。この超高齢社会において心臓弁膜症,特に動脈硬化性変化を病態とする大動脈弁狭窄症(aortic stenosis:AS)は,日常で多く遭遇する疾患の1つとなっている。

従来,高齢者AS治療における最大の問題点は,根治治療が開心術しかなかったことが挙げられるが,2013年からわが国で経カテーテル大動脈弁置換術(transcatheter aortic valve implantation:TAVI)が,高齢患者に対する有効な根治治療として提供できるようになった。この10年間でわが国でもTAVIの治療機器・治療技術の向上があり,全国的に施行可能施設が増えていることから,高齢者ASに対し比較的容易にTAVIという治療選択肢を施行する時代となった。しかし,一方で,現時点でのTAVIにおける限界も浮き彫りとなってきた。

適応とその限界を知ることは適切な医療提供に必要なことであり,本稿では,高齢者のASに対するTAVIの適応と限界について,これまでの臨床研究の結果をふまえて解説する。

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