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肛門疾患診療のABC-ジェネラリストが知っておくべき基礎と実践

「肛門疾患=手術」ではない! 診察が楽しくなる非専門医のための「おしりの診かた」

おしりの相談を受けたことはありませんか?
すぐ実践できる診療のコツをまとめました


●肛門鏡がなくてもここまでできる!問診から視診・指診まで,診察の進め方を丁寧に解説
●すぐに使える症状別フロチャートを収録。症状から鑑別疾患を逆引きできます
●基本となる外用薬に加え,便秘薬や漢方薬などの内服薬の選び方・使い方を紹介
●現場の疑問に答えるQ&A・コラムが充実。日常診療で直面する疑問・ピットフォールに対応します

おしりの相談を受けたことはありませんか?
すぐ実践できる診療のコツをまとめました


●肛門鏡がなくてもここまでできる!問診から視診・指診まで,診察の進め方を丁寧に解説
●すぐに使える症状別フロチャートを収録。症状から鑑別疾患を逆引きできます
●基本となる外用薬に加え,便秘薬や漢方薬などの内服薬の選び方・使い方を紹介
●現場の疑問に答えるQ&A・コラムが充実。日常診療で直面する疑問・ピットフォールに対応します

編著
山口トキコ (マリーゴールドクリニック院長)
判型B5判 ページ数206 刷色カラー 版数第1版 発行日2025年11月21日 ISBN978-4-7849-7556-3 付録無料の電子版が付属(巻末のシリアルコードを登録すると,本書の全ページを閲覧できます)。 診療科
紙の書籍
税込4,950

この商品は予約商品となりますので、ご発送は発売後となります。

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目次

総論 おしりの相談を受けたことはありませんか?
1 患者さんのために一歩踏み込んだ診療を
2 肛門疾患を診るにあたっての心構え
3 日本の肛門疾患治療の歩み

1章 肛門管の解剖と機能

2章 肛門診察のいろは
1 診断のステップ(問診→視診→指診→肛門鏡診→診断)
2 診断の組み立て方
Q1 肛門鏡診を行わないと痔疾患の診断はできませんか?
Q2 痛みを強く訴える患者さんの診察はどうしたらよいでしょうか?
Q3 患者さんに大腸内視鏡検査を勧める目安はありますか?

3章 基本となる3大痔疾患を理解する(成因・分類・症状・治療)
1 痔核(内・外痔核・血栓性外痔核・嵌頓痔核)
2 裂肛
3 痔瘻(肛門周囲膿瘍期も含む)
Q1 外痔核とスキンタグの見分け方を教えて下さい
Q2 痔疾患に対して,非専門医にもできる処置はありますか?
コラム①クローン病に伴う肛門病変を見逃さない
コラム②妊娠中は痔疾患になりやすい

4章 症状別アプローチと鑑別疾患
1 肛門疾患の症状
2 出血がある
3 痛みがある
4 脱出がある
5 しこりがある
Q1 粉瘤と肛門周囲膿瘍の見分け方を教えて下さい
Q2 かゆみが自覚症状となる痔疾患はありますか?
コラム③裂肛・内痔核と紛らわしい肛門の悪性腫瘍
コラム④梅毒病変

5章 保存治療-ほとんどの患者さんは薬でよくなる
1 内・外痔核・裂肛の治療薬
2 便秘薬
3 下痢の治療薬
Q1 どんな症状にどの外用薬を選択すれば効果があるのか,迷うことがあります。簡単な使い分けを教えて下さい
Q2 小児の痔疾患,便秘の治療薬について教えて下さい
Q3 肛門周囲の皮膚のかゆみを訴える患者さんにはどのような薬剤が効果的でしょうか? 
Q4 ステロイド含有の外用薬の長期使用によって起こる副作用はありますか?
Q5 刺激性下剤を常用している患者さんに対して,どのように減薬指導を行えばよいでしょうか?
Q6 高齢者や寝たきりの患者さんで,肛門のところで便が詰まって出ない場合はどのようにしたらよいでしょうか?
コラム⑤便意が起こる仕組み
コラム⑥便秘と寿命の関係

6章 専門医へ紹介するタイミングー手術か否か
1 内痔核の手術適応
2 外痔核の手術適応
3 裂肛の手術適応
4 痔瘻は手術がマスト
Q1 「日帰り手術は可能ですか?」と患者さんから聞かれました。どのように答えればよいでしょうか?
Q2 患者さんが手術を希望しない場合,保存治療を継続しても問題ありませんか?
Q3 外痔核が手術適応になるケースを教えて下さい
Q4 ガイドラインでは肛門周囲膿瘍・痔瘻は手術適応とされていますが,どのような場合に保存治療を行いますか?

7章 痔疾患の予防と患者指導
1 排便の注意点と指導のポイント
2 食事指導─便秘の予防・改善
3 おしりにやさしい生活習慣
Q1 腟側を押して排便している患者さんにどのような指導が有効でしょうか?
Q2 患者さんに生活指導をする時間がなかなか取れません。また指導しても患者さんが非協力的なこともあります。何かよい方法はありますか?
Q3 肛門が臭う(自己臭恐怖症)と訴える患者さんに対してできることはありますか?
Q4 力んでいなければ,便座に座っている時間は長くても問題ありませんか?
Q5 便漏れの患者さんにはどのような指導をすればよいでしょうか?

巻末資料
① 肛門疾患 質問票
② 岡崎外科・森永式 刺激性下剤一覧表 2025.9版

索 引

序文

肛門疾患を専門とする医師は,肛門疾患に関わる医師全体の約10%と言われています。この数字は,かかりつけ医やプライマリ・ケア医,総合診療医など,多くのジェネラリストが肛門疾患の診断・治療に携わっていることを表しています。また,専門医不在の地域があることも示唆しており,患者にとって肛門の相談ができる最初の医師が,非専門医であることを物語っています。
ともすれば「肛門疾患=手術」と誤解されがちですが,実際には手術の必要はない患者がほとんどです。肛門疾患は,保存治療や生活指導によって治療ができる,内科の一分野として考えることができます。つまり,ジェネラリストが真価を発揮できる領域のひとつなのです。その意味を込めて,本書のタイトルは『肛門疾患診療のABC―ジェネラリストが知っておくべき基礎と実践』としました。
執筆者には,患者の初期治療から関わるジェネラリストに近い立場であり,入院施設を持たない肛門科開業医のエキスパートに依頼しました。非専門医が「肛門鏡診ができないから」と臆することなく,専門医に頼らずとも実臨床に臨めるようになることを目指して,本書を編集しました。
本書では,問診から診断することを目標に,症状別アプローチと鑑別疾患,問診におけるピットフォールについて詳しく解説しています。また肛門鏡がない場合,視診・指診が肛門鏡診の代役となる理由や,肛門外科医に必要な肛門鏡診も万能ではないことも記載しました。
保存治療の章では,外用薬の使い分け,刺激性下剤の減薬指導の実際,漢方薬の上手な使用法など,すぐに役に立つ実践的な内容をまとめています。また,専門医への橋渡しのために必要な手術適応についても,要点を整理しました。
さらに,専門医も直面するような肛門診療に関するリアルな疑問を,Q&A形式で掘り下げました。コラムでは,稀なクローン病や梅毒など頭に入れておきたい疾患や,便秘に関する豆知識を紹介しています。
また,疾患をより深く理解するためには,解剖学の知識も必要です。本書では,解剖学の専門家が非専門医も知っておくべきこと,専門医向け+αと分けて,簡潔かつ丁寧に解説しています。専門医にとっても,解剖学の知識をブラッシュアップできる内容であると確信しています。
本書を読んでくださったジェネラリストが,かかりつけ患者さんのために,自信を持って肛門疾患診療に臨まれることを心より願っております。
最後に,非専門医の目線で熱意を持って取り組み,完成まで支えていただいた日本医事新報社の土居楓さんに心より感謝申し上げます。

令和7年10月
マリーゴールドクリニック 院長 山口トキコ