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あなたも名医!ピットフォール×カメレオン×ミミック 外来での訴訟高リスク疾患20【電子版付】
リアルなケースでわかる!診断エラーの傾向と対策
目次
1. 急性冠症候群
<シリアス劇画物語 その1>
2. 急性大動脈解離
<シリアス劇画物語 その2>
3. 心房細動
4. 感染性心内膜炎
5. 肺血栓塞栓症
6. くも膜下出血
<シリアス劇画物語 その3>
7. 見逃せない肺炎―結核
8. 絞扼性腸閉塞,急性腸間膜虚血
9. 急性虫垂炎
10. 急性喉頭蓋炎
11. 椎骨骨髄炎
12. 異所性妊娠
13. 低血糖
14. 薬剤副作用
15. 見逃されやすい腫瘍性疾患
16. 見逃されやすい神経疾患
17. 見逃されやすい骨折
18. 見逃すと問題になる皮膚疾患
19. 見逃されやすい精神疾患
20. 透析関連の感染症
序文
巻頭言
本書は、外来診療における訴訟リスクの高いケースから学ぶためのものである。外来で実際に遭遇した隠れた重要疾患のリアルストーリーを擬似体験し、設問も解きながら、診断エラーの生じるメカニズムとこれらのケースから学ぶべき教訓が得られるようにした。20の高リスク疾患に対しての紛らわしいミミック疾患と、高リスク疾患が他のカメレオン診断に化けるときの疾患リストもまとめたので鑑別に役立つ。
診断訴訟は患者安全の重要な問題である。しかし、外来診療での診断エラーの頻度は多い。診断訴訟は患者にとって致死的または有害だった実例であり、再発を防ぐ努力をするための教科書として学ぶ点は多い。リアルケースをもとに安全策を学習していくシステムは、航空業界や原子力発電業界では当然のように組み込まれている。
本書は、医師や看護師などの医療従事者や医療安全管理者だけでなく、医療機関管理者や医療政策立案者も対象とした。本書の各章を執筆してくれたメンバーと日本医事新報社編集局へ心より御礼を申し上げる。
執筆者メンバーには共通の思いがある。それは、本書によって、外来での診断訴訟が起こる高リスク疾患に対する認識が高まり、その診断過程でのピットフォールの理解が進み、診断ミスの発生が減ることである。本書を読み、外来の現場でいつでも参照できるようにすることで、現場の医療安全が改善することを祈る。
2023年4月5日 浦添市の群星沖縄事務所にて
群星沖縄臨床研修センター長
徳田安春
正誤表
下記の箇所に誤りがございました。謹んでお詫びし訂正いたします。
〈誤〉→〈正〉
8. 絞扼性腸閉塞,急性腸間膜虚血 絞扼性腸閉塞や腸間膜虚血を疑ったらためらわず速やかに造影CTを撮像せよ!
④疑ったら速やかに造影のDynamic CTを 17行目
<誤>「さらに近年では,「造影剤の投与と慢性腎障害(AKI)の発症に関連はなく,患者や疾患の要因が寄与しているのでは?」とも言われ」
<正>「さらに近年では,「造影剤の投与と急性腎障害(AKI)の発症に関連はなく,患者や疾患の要因が寄与しているのでは?」とも言われ」
〈誤〉→〈正〉
12. 異所性妊娠 女性の腹痛・上腹部痛では妊娠反応検査を施行する!
④女性の腹痛へのアプローチ
「図2 非妊娠女性の正常子宮の経腹エコー」と「図3 子宮内妊娠の経腹エコー(妊娠6週)」の写真が入れ違っていました