基礎からわかる!若手整形外科医のための 小児整形外科疾患【電子版付】
目次
1章 子どもの外傷における「総論」
1:診断について
2:治療について
3:経過観察について
2章 子どもの骨折の診かた
1:Toddler骨折
2:橈骨遠位端骨折
3:鎖骨骨折
4:腕神経叢損傷が疑われた症例
5:分娩骨折(上腕骨)
6:分娩骨折(大腿骨)
7:上腕骨顆上骨折
8:Monteggia骨折
9:疲労骨折(大腿骨)
10:脛骨骨折
11:疲労骨折(腓骨)
12:第1中足骨骨折+立方骨骨折
13:第5基節骨骨折
3章 肘内障の診かた
1:エコーと整復方法の解説
2:肘内障
4章 母指(趾)の疾患の診かた
1:爪下血腫
2:巻き爪、爪周囲炎
3:やけど、熱傷
4:Tuft(房)骨折
5章 子どもに特有な骨折の診かた
1:くる病・腎性ジストロフィーに伴う骨折
2:橈骨遠位端骨折後の骨性架橋
3:左大腿骨近位における「Salter-Harris分類V型」
4:被虐待児症候群
5:脳性麻痺に伴う骨折
6章 子どもの変形、脱臼
1:分娩麻痺
2:筋性斜頚
3:内反足
4:その他の四肢・脊椎変形
7章 「歩行障害」と「成長痛」の鑑別診断-股関節のエコーと2方向X線検査は必ず!-
1:「歩行障害」と「成長痛」の概要
2:「歩行障害」と「成長痛」の診断・治療・経過観察
3:「歩行障害」と「成長痛」の鑑別診断26
8章 発育性股関節形成不全(DDH)診療のリアルワールド-生まれた日から開いてみてエコーチェック!-
1:DDHの概要
2:DDHの診断
3:Graf法の基礎とエッセンス
4:DDHの治療
5:DDHの症例
序文
皆さん、ボンジュ~!
私は、縁結びの神様「出雲大社」でたくさんのお祈りやお願いをし、「縁」を大切に生きてきました。「ご縁」があり、『症例から学ぶ!小児科医のための子どもの整形外科外傷』を2021年12月に出版させていただきました。読者の皆さんから、「肘内障、勉強になりました!」「偉人のイラスト、良いね!」など、あたたかいメッセージをいただいたことで本書完成へのさらなる勇気が湧きました。
本書の推薦文を書いてくださった日本整形外科学会理事長の中島康晴Dr.、日本小児整形外科学会理事長の稲葉 裕Dr.をはじめ、今までお世話になった皆さんに深謝いたします。
Thank you very much indeed for our serendipity and your kind support!!!
この本の表紙&裏表紙は、イラストレーターの伊藤桃子さんが創ってくださったもので、以下の要素と想いをアレンジした切り絵アートです。
- 小児整形外科のシンボル(1741年に出版された「L’Orthopédie」の挿絵)
- 「伊豆の踊子」と「プリンセス・ヴェール」
- バラを観察している子ども
- 股関節脱臼予防の「開排位抱っこ」をしている父親
Orthoは「まっすぐ」、pédieは「小児」という意味です。本書では、原著で記載されている内反膝(O脚)のみならず、「子どもは、植物に添え木をするように適切な治療やサポートをすることによって良い方向に成長できる!」ということを強調しています。日本整形外科学会のシンボルマークは、この挿絵を応用して「桜」で描かれています。また、私のバイブルの表紙にも採用されています。今回は、私がこの2年間癒されてきたバラをアレンジして描いていただき、“only one”な癒しの表紙となりました。
この本は若い整形外科医をはじめ、これから子どもに関わるすべての人々に、
- 岡山や世界中の先人から学んできた伝統や情熱
- エコーなど子どもに優しいツールを安全のために取り入れていく姿勢
- 人との「face to face」な交流から学んできたメッセージやアイディア
をお伝えし、バトンタッチできるように努めました。
皆さんに特に読んでいただきたい「推し」は、
- 肘内障整復方法の動画、エコー動画(今回、整復時の動画があります!)
- 「歩行障害」と「成長痛」の鑑別診断26(多様性ありあり!!)
- 股関節脱臼のエコー(Graf法の動画)、X線検査の「3ステップ法」、リーメンビューゲル装具の動画
- 内反足の模型・包帯シミュレーション・石こうギプス動画
- 筋性斜頚のエコー動画
です。
この本との出会いにより小児整形外科疾患の理解が深まること、そして、その知識や経験が皆さんの日常診療に少しでも生かされることを祈っています!
正誤表
下記の箇所に誤りがございました。謹んでお詫びし訂正いたします。
索引
〈誤〉HBL27→〈正〉HLA-B27
表2
〈誤〉HBL27→〈正〉HLA-B27