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あなたも名医!日常診療に取り入れよう! 継続できる 内科疾患のリハビリ・運動療法【電子版付】
目次
1章 内科疾患でリハビリ・運動療法が必要なわけ
1 内科疾患で歩けなくなるのはなぜか?
2 リハビリ・運動への誤解
2章 リハビリ・運動療法の基本と評価
1 リハビリ・運動療法の基本
2 リハビリ・運動療法の評価
3章 リハビリ・運動療法を続けさせるには?
1 長続きさせる方法
2 長続きさせるコトバ
4章 疾患別リハビリ・運動療法の実際
1 糖尿病
2 高血圧
3 脂質異常症
4 肥満症
5 冠動脈疾患
6 心不全
7 末梢動脈疾患(フットケアも含む)
8 COPD
9 慢性腎臓病
10 脂肪肝
11 脳卒中
12 嚥下障害
13 フレイル・介護予防
14 腰痛・膝痛
序文
一般内科医・プライマリケア医は,頭のてっぺんから足の先まで丁寧に日々の診療にあたっている。しかし,高齢化が進み,内科治療でなんとか内臓機能を維持できても,体力がどんどん低下する患者や足腰が弱って生活範囲が狭くなっている患者が増えている。
安静がどれだけ体に悪いのかご存じだろうか?ヒトは20歳以降,毎年平均1%ずつ筋肉量や筋力,持久力が低下する。一方,丸1日完全に安静にしていると,体幹や下肢の抗重力筋を中心に2%の筋肉量・筋力が低下する。つまり,たった1日の絶対安静で2歳分も老化してしまう。絶対安静でなく,トイレや着替えをするくらいの安静では,その半分の1日で1歳分の老化に値する。すなわち,安静が治療である時代は終わり,一般内科医・プライマリケア医の日常診療にも最新のリハビリテーション(リハビリ)を取り込んでいく時代となったのだ。
リハビリ科に患者を紹介しようとしても,多くのリハビリ科医はリハビリ専門病院などに勤務していて,患者の近くにはいない。リハビリ病院に入院させるほどではない患者に対してリハビリを進めるためには,主治医である読者にリハビリに取り組んで頂くことになる。しかし,リハビリに関わったことのない医師は,「どうリハビリ処方箋を書けばよいのかわからない」というのが正直なところかもしれない。
本誌では,そのリハビリ処方の出し方や診察室・往診先などで実践できるリハビリの行い方を伝授する。対象読者はリハビリ・運動処方について学ぶ意欲があり,診療にも取り入れたいと考える一般内科医・プライマリケア医を想定している。リハビリの知識がない読者でも,本誌を通じて興味を持ち,実践したいと思って頂けるような内容に仕上げているのでご安心頂きたい。
リハビリは,もはやリハビリ関連職種のみのものではない。読者の皆様が本誌の内容を実践すれば,担当した患者の生活機能や運動機能を改善し,生命予後を延長することも可能になり,「さらなる名医」としての成功が約束される。ぜひ,明日からの診療にリハビリを取り入れて頂ければ幸甚である。もちろん,読者の手に負えない患者に関しては,お近くのリハビリ病院またはリハビリ科専門医にためらわずにご紹介頂きたい。