1336専門家による
私の治療
2017-18年度版
手元に置いておきたくなる!実用性重視の治療法便覧
目次
序文
■監修の言葉
日本医事新報社では、1977年4月「550専門家による 私の治療」を刊行された。その当時の日本の医療は経験的医療が中心であったので、各診療領域の専門家により示された治療方針は大変貴重なものであり、当時の有用な治療法が一冊にまとめられた書物は、実地医家の方々にとって日常診療の座右の書として高く評価された。
それから40年が経過し、医学・医療の研究の著しい進歩で新しい医療機器や医薬品が次々に開発され、診断や治療法に大きな変化がみられている。医療体制もこれまでの経験的医療からエビデンスに基づく医療が主体となり、多くの診療領域で診療ガイドラインが作成され、それに沿って診療が行われるようになってきた。このような医学・医療の進歩によって日本人の寿命は着実に延び、現在男女とも世界一の健康寿命を誇っている。世界の模範となる長寿国になり、医療を取り巻く環境も大きく変わってきており、高齢者を考慮した医療体制の充実が求められている。
このような医療体制並びに医療の大きな変化、さらに診断や治療法の進歩を考慮し、日本医事新報社は以前の「550専門家による 私の治療」に次ぐ実地医家向けの超実践型の書物として、新しい形の「私の治療」の単行本の刊行を計画された。近年における諸診療領域における診断や治療法の著しい進歩とともに、医療を取り巻く環境も大きく変わってきていることから、医療の第一線で活躍されている先生方のお役に立つようにと、最新の診断や治療法とともに、高齢化社会の医療で今後中心となる在宅医療の最新情報に関する項目も取り入れた。その結果、23領域、1123疾患に関する診断のポイントや治療法の詳細に関して、総勢1336名の先生方に執筆をお願いすることになってしまった。
本書の作成にあたって、まず23領域の責任者となって下さる先生方を決めさせていただき、その後その責任者の先生方に取り上げる疾患並びに執筆者の選出をお願いした。皆様方が大変御多忙であることを存じていながら、勝手なお願いをしましたこと、深くお詫び致します。
執筆された各先生方が本書の作成の趣旨を御理解下さり、最新の治療法に関して順序立てて分かり易く解析していただき、日常臨床の第一線で活躍されている先生方にとって、大変役立つ超実践型の書物が誕生したと考えています。
この書物の誕生のために大変御多忙にもかかわらず御執筆いただいた先生方に厚く感謝申し上げます。また、この書物の出版の必要性を考慮され、その作成に全面的に御協力下さった日本医事新報の編集長をはじめ、編集部の皆様方の御努力に厚く感謝申し上げます。
2017年5月
猿田享男
正誤表
下記の箇所に誤りがございました。謹んでお詫びし訂正いたします。
周期性四肢麻痺
〈誤〉表1の1行目「低カリウム性」「高カリウム性」 5行目「重度から軽度」「軽度」→〈正〉いずれも左右が逆です。
上記の通り訂正いたします。
クループ症候群
〈誤〉(デキサメタゾン)1回0.15mL/kg→〈正〉(デキサメタゾン)1回0.15mg/kg
「典型的治療」の項目、二手目の記述中の処方単位を上記の通り訂正いたします。