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呼吸窮迫症候群

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-07-25
五石圭司 (国立国際医療研究センター病院第一新生児科医長)
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  • ■疾患メモ

    呼吸窮迫症候群(respiratory distress syndrome:RDS)は,主に早産児の呼吸障害の原因として代表的な疾患である。

    在胎期間が短いほど発症率も重症度も高くなる。

    肺の未熟性により,Ⅱ型肺胞上皮細胞から分泌される肺サーファクタントが欠乏することが疾患原因であり,治療には肺サーファクタント製剤の気管内投与が行われる。

    リスク因子としては,早産児,帝王切開で出生した児,糖尿病母体児,新生児仮死,双胎第二子,男児,などが挙げられる。

    発症・重症化予防には,出生前母体へのステロイド投与に一定の効果がある。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    早産児の出生直後,あるいは生後早期に発症する呼吸窮迫症状が主な症状である。多呼吸,呻吟,陥没呼吸,チアノーゼなどがみられる。

    適切な治療が行われない場合,無呼吸発作の頻発や気胸などの合併症を発症し,呼吸不全から死に至る。

    【検査所見】

    マイクロバブルテスト(stable microbubble test:SMT):RDSの発症を予知・診断するための迅速検査法である。羊水,あるいは胃液を検体として行う()。

    22_05_呼吸窮迫症候群


    胸部X線:肺容量の低下と,肺野の網状細顆粒状陰影またはすりガラス状陰影,気管支透亮像(air bronchogram)が認められる。

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