お知らせ
乳腺症・乳管内乳頭腫
- 登録日：
- 2017-03-16
- 最終更新日：
- 2017-03-28
- 加藤剛志 （徳島大学医学部医学科産婦人科学教室）
- 苛原 稔 （徳島大学大学院医歯薬学研究部産科婦人科学分野教授）
Ⅰ. 乳腺症
■疾患メモ
□乳腺症は，乳房に疼痛，硬結，腫瘤の触知，乳頭分泌などの症状を呈する良性疾患であり，30～40歳代に好発する。
□症状の経過は，卵巣から分泌されるエストロゲンの影響によって乳腺に生じる生理的変化と密接に関係しており，月経前に強く現れる傾向にある。
□最近は乳腺症を疾患として扱わず，生理的変化による正常からの逸脱としてとらえられている。
■代表的症状・検査所見
【症状】
□乳腺症の症状は乳癌との類似点が多く，鑑別のためにマンモグラフィーや超音波検査を実施する。
【検査所見】
□マンモグラフィーでは全体に高濃度乳腺であることが多く，両側性にびまん性の石灰化を認めた場合には比較的容易に診断できる。
□超音波検査所見は，組織像を反映して多彩な所見を呈する。嚢胞が両側性にびまん性にみられれば診断は容易であるが，腫瘤像としてみられる場合には，非浸潤性乳管癌などとの鑑別が問題となる。
□臨床症状，マンモグラフィー，超音波検査において，明らかな乳腺腫瘍の所見がないことを確認するが，腫瘤を触れる場合は細胞診や針生検を行うこともある。
□組織診では，乳腺の上皮と間質において，増生，退縮，化生などの変化が複合した所見を呈する非腫瘍性病変としてみられる。
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