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良性発作性頭位めまい症

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-07-25
肥塚 泉 (聖マリアンナ医科大学耳鼻咽喉科教授)
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  • ■疾患メモ

    良性発作性頭位めまい症(benign paroxysmal positional vertigo:BPPV)は,ある特定の頭位(洗濯物を干そうとしたとき,美容院での洗髪時や歯科治療時など)でめまい(回転性ないし浮動性)が誘発される疾患である。

    聴覚症状(難聴,耳鳴,耳閉感),中枢神経症状などを伴わない。

    更年期以降の女性に好発する。

    耳石器(卵形嚢)由来の耳石(耳石小片)が半規管内に迷入し,これが頭位の変化に伴って生じる重力方向の変化に応じて半規管内を移動することによってめまいが生じる半規管結石症と,耳石小片が半規管クプラに付着し,頭位の変化に伴ってクプラが重力方向に変位するようになりめまいが生じるクプラ結石症がある。

    原因半規管により,後半規管型,外側半規管型,前半規管型に分類される。後半規管型,外側半規管型が多く,前半規管型は稀である。理学療法の一種である浮遊耳石置換法が有効である。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    特定の頭位でめまいが誘発される。

    【検査所見】

    頭位変換眼振検査(Dix-Hallpike法):数秒~数10秒の潜時を有する回旋成分が強い上眼瞼向き眼振が出現し,これが30秒以内に消失する場合は,後半規管型BPPV(半規管結石症)と診断する(図1)。眼振が出現する頭位で下になる側が患側である。

    18_31_良性発作性頭位めまい症

    頭位眼振検査:方向交代性向地性(下行性)眼振を認めた場合は外側半規管型BPPV(半規管結石症),方向交代性反地性(上行性)眼振を認めた場合は外側半規管型BPPV(クプラ結石症)と診断する。クプラ結石症の場合は眼振が出現するまでの潜時が短く,眼振の持続時間が長い。

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