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強膜炎,上強膜炎

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-06-22
岡部智子 (東邦大学医療センター大森病院眼科)
堀 裕一 (東邦大学医療センター大森病院眼科教授)
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  • ■疾患メモ

    強膜炎および上強膜炎は30~50歳に好発し,女性に多い。

    上強膜炎は結膜血管の奥にある浅い部分の上強膜血管の充血がみられ,強膜炎では深在性の上強膜血管の充血がみられる。上強膜炎が強膜炎に移行することはほとんどないが,強膜炎には上強膜炎が合併していることが多い。

    強膜炎(前部強膜炎)は,びまん性,結節性,壊死性の3型に分類される。

    強膜炎も上強膜炎も膠原病や炎症性全身疾患を原因とすることが多いが,感染症や眼科手術後や外傷後に呈することもある。

    非感染性疾患として,関節リウマチ,全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus:SLE),側頭動脈炎,多発血管炎性肉芽腫症(granulomatosis with polyangiitis:GPA),結節性多発性動脈炎などがあり,感染性疾患として,結核,梅毒,単純ヘルペス,水痘・帯状疱疹ヘルペスなどが原因となりうるが,精査しても原因不明になることも多い。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    眼痛,充血が最も多い。ほかに,顔面への放散痛,視力障害などがある。

    【検査所見】

    赤沈,CRP,WBC,免疫グロブリン(IgG,IgA,IgM),リウマトイド因子(RA),抗核抗体(ANA),抗好中球細胞質抗体(P-ANCA,C-ANCA),ツベルクリン反応,クォンティフェロン®,梅毒血清反応,胸部X線などの検査を施行し,原因検索を行う。

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