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腎実質腫瘍

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-03-28
近藤慶一 (横浜市立大学大学院泌尿器科学准教授)
中井川 昇 (横浜市立大学大学院泌尿器科学准教授)
蓮見壽史 (横浜市立大学大学院泌尿器科学)
矢尾正祐 (横浜市立大学大学院泌尿器科学主任教授)
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  • ■疾患メモ

    腎実質に発生する腫瘍の約90%は悪性であり,その大部分は腎細胞癌である。わが国での年間の罹患数は1万5000人,死亡は4000人程度と推定され,50歳以上に多く,女性と比較して男性の発症が2~3倍高い。

    腎細胞癌は初期には症状はほとんどなく,有症状では進行していることが多いため,超音波検査による検診の普及が望まれる。

    腎限局例では切除手術,転移例では分子標的薬を中心に集学的治療が行われる。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    わが国では現在,7割が超音波やCTで見つかる無症状の偶発例である。局所進行例では,肉眼的血尿・腹痛・腫瘤触知などを呈し,進行例・高悪性例では全身倦怠感・体重減少・発熱,さらに有転移例では,転移部位の症状(肺転移:呼吸器症状,脳転移:神経症状など)で発見されることもある。

    【検査所見】

    ダイナミック造影CTが有用であり,約80%を占める淡明細胞型腎癌では不均一に強く造影される典型的な所見が認められる。周囲臓器への浸潤程度や転移も診断できる。一方,非淡明細胞型の組織型では造影効果が弱いものが多い。

    造影剤使用困難例ではMRIやドップラー超音波検査が代用される。

    転移評価では肺はCT,骨は骨シンチグラフィが有用である。

    血液・尿の特異的腫瘍マーカーはないが,進行転移例・高悪性例では貧血・LDH高値・高カルシウム血症・血小板増多・急性炎症反応の指標であるCRPや好中球の上昇を認める。

    進行転移例の評価にはFDG-PET/CTも有用であるが,現状の保険診療では1回しか施行できない。

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