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胸椎椎間板ヘルニア

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-07-24
島田洋一 (秋田大学大学院医学系研究科医学専攻機能展開医学系整形外科学講座教授)
工藤大輔 (秋田大学大学院医学系研究科医学専攻機能展開医学系整形外科学講座)
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  • ■疾患メモ

    胸椎椎間板ヘルニアの発生は,頸椎,腰椎に比較すると稀であり,年間100万人に1人の割合である。また,手術を要する椎間板ヘルニアの約0.15~1.8%を占める。

    胸椎は,T1~T10では胸郭で固定され,生体力学的に安定している。T10/11,T11/12,T12/L1では可動域が比較的大きく,本症の約75%はT8より下位に生じる。

    明らかな性差はなく,20~40歳代に多い1)

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    初発症状は下肢の脱力・しびれが多く,進行すると膀胱直腸障害を伴う。頸椎疾患,腰椎疾患と誤診されることもある。Stillermanら2)による71例の報告では,局所疼痛・軸性疼痛・神経根性疼痛76%,運動障害を伴う胸部脊髄症61%,膀胱障害24%であった。

    T1/2のヘルニアでは胸部脊髄症のほか,T1神経根障害(胸部,上肢内側~環指,小指にかけての痛み,しびれ,骨間筋麻痺),Horner症候群(縮瞳,眼瞼下垂,眼裂狭小,発汗低下)を伴うこともある3)

    稀に胸痛,腹痛により循環器疾患,消化器疾患が疑われることがある。

    脊髄円錐上部はおおよそT12高位,脊髄円錐部はL1高位であるが,この部位のヘルニアでは多彩な症状を呈する。

    【検査所見】

    X線:単純X線では椎間高の狭小化,椎体縁の骨棘形成,椎間関節の肥厚,局所後弯,靱帯骨化などがみられるが,明らかでないことも多い。そのため,胸椎病変が疑われた場合,積極的にMRI撮影をする必要がある。

    CT:単純CTおよび脊髄造影後CTは,hard disc*1,soft disc*2の鑑別,ヘルニアの石灰化,靱帯骨化の有無の評価が可能で,手術術式を決定する上で必須である。

    *1:椎体後縁の骨棘形成を伴った退行性の椎間板障害。

    *2:髄核ないしは線維輪の一部が後方または後側方へ突出した病態。

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