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蟯虫症

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-07-21
金澤 保 (産業医科大学医学部免疫学・寄生虫学教授)
長田良雄 (産業医科大学医学部免疫学・寄生虫学准教授)
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  • ■疾患メモ

    蟯虫(Enterobius vermicularis)の寄生によって引き起こされる疾患であり,感染者は,成熟雌虫が肛門外に這い出て産卵する際に,肛門周囲にそう痒感を自覚する。

    虫卵を経口的に摂取すると感染する。産卵後数時間で虫卵は感染性を有するため,患者の周囲の人は感染しやすい。

    幼児,小学校低学年児童に感染者が多いことが知られており,正確な感染率は不明であるものの,首都圏ではこの年齢集団の約0.2%に感染がみられたという。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    多くは無症状であるが,一部の感染者が肛門周囲に不快なそう痒感を自覚する。

    そう痒感に起因すると思われる夜泣き,不眠や精神不穏などもみられることがある。

    【検査所見】

    セロファンテープ法(肛囲検査法)で肛門周囲に産卵された虫卵を検出する()。

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    同検査は起床時に少なくとも複数回実施することが望ましい。

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