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重症熱性血小板減少症候群(SFTS)

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-06-19
西條政幸 (国立感染症研究所ウイルス第一部長)
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  • ■疾患メモ

    重症熱性血小板減少症候群(severe fever with thrombocytopenia syndrome:SFTS)は2011年に,中国の独立した2つの研究グループにより初めて報告されたブニヤウイルス科フレボウイルス属に分類される新規ウイルス(SFTSウイルス)による致命率の高い新興ウイルス感染症である。

    2013年1月に日本でもSFTSが流行していることが明らかにされ,その後2016年12月28日までに計228人の患者が報告され,そのうち53人が死亡している(致命率約23%。患者は西日本を中心に発生している。

    SFTS患者の多くは50歳以上の高齢者であるが,小児例を含めて全年齢層の患者が報告されているマダニ媒介性ウイルス感染症である。現時点では,SFTSが流行している国は,中国,韓国,日本である。

    病原体はSFTSウイルスであり,ブニヤウイルス科フレボウイルス属に分類される。日本では,ヒトにSFTSウイルスを感染させるマダニは,フタトゲチマダニとタカサゴキララマダニである。潜伏期間は5~14日である。

    ヒトはウイルスを有するマダニに咬まれてSFTSウイルスに感染し,SFTSを発症する。ただし,SFTS患者の約半数でマダニに咬まれた事実が確認できていない。患者の体液に直接触れて感染する事例(家族内感染,院内感染)が報告されている。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    発熱,全身倦怠感,下痢,嘔吐などの症状が認められる。リンパ節腫大やマダニの刺し口が約半数の例で認められる。

    重症例では意識障害,構語障害,出血傾向・出血症状が出現する。

    【検査所見】

    末梢血液検査において,白血球減少と血小板減少を認めることが多い。特に,白血球減少は多くの患者で認められる。

    生化学検査でAST,ALT,LDH値の上昇が認められ,重症例ではBUN,CRE値の上昇も認められる。多くの患者でフェリチン値の上昇も認められる。

    検尿で尿蛋白および潜血が陽性となる。すべての重症患者において骨髄検査で血球貪食症候群の所見が認められる。

    急性期の患者のSFTSの診断には血液からRT-PCRによりSFTS遺伝子を増幅する必要がある。本遺伝子検査は全国地方衛生研究所および国立感染症研究所において行われている。

    SFTSが疑われる患者を診た場合には,最寄りの保健所または地方衛生研究所に連絡するとよい。

    血清学的診断では,急性期および回復期における抗体の有意な上昇を確認する必要がある。国立感染症研究所で抗体検査が実施可能である。

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