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薬物アレルギー

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-03-28
塩原哲夫 (杏林大学医学部皮膚科学教室名誉教授)
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  • ■疾患メモ

    薬剤投与により生ずる様々な臓器障害のうち,薬剤感作により生ずるものが薬物アレルギーである。

    薬剤投与後,速やかに生ずるのが即時型,24~48時間後に生ずるのが遅延型アレルギーである。

    即時型はアナフィラキシーの項で述べられているので,本項では主に遅延型の薬物アレルギー(薬疹)について述べる。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    重症薬疹と考えられているのはStevens-Johnson症候群(Stevens-Johnson syndrome:SJS),中毒性表皮壊死症(toxic epidermal necrolysis:TEN),薬剤性過敏症症候群(drug-induced hypersensitivity syndrome:DiHS)であり,致死率は10~30%である。

    SJS/TENは一連の疾患と考えられており,ともに皮膚と粘膜(眼,口腔内,口唇,陰部)を冒し,表皮の剥離が体表面積の10%以下がSJS,10~30%がSJS/TEN overlap,30%以上がTENと診断される。

    SJS/TENは主に皮膚症状の性状,重篤度により診断されるが,しばしば眼の後遺症を残すことがある。

    DiHSは全身の紅斑,リンパ節腫脹,発熱,肝障害(腎障害)など多彩な臨床症状を伴うが,SJS/TENと異なり,内服開始から皮疹出現までに2週間以上を要し,表皮障害を伴わないのが特徴である。

    DiHSは薬剤中止後も経過が遷延し,様々な臓器に病変を生じることがある。皮疹消退2~3年後に自己免疫疾患(甲状腺疾患,1型糖尿病,膠原病など)を生じる場合がある。

    薬疹の中で最も頻度が高いのが,麻疹,風疹に似た全身に細かい紅斑を認めるもので,播種状紅斑丘疹型と呼ばれ,ウイルス性発疹症との鑑別が難しい。

    多くの薬疹は播種状紅斑丘疹型で始まり,しだいに浮腫状に隆起し,多形紅斑型になると,重篤化の始まりと考えるべきである。さらに増悪すると,重症薬疹に進展しうる。

    【検査所見】

    薬疹に特徴的な検査所見はないが,薬剤添加リンパ球刺激試験(drug induced lymphocyte stimulation test:DLST)は,原因薬剤を決定するのに有用かつ安全な方法である。

    DLSTは,多くの薬疹では発症から1週間以内に行うのが最も陽性になりやすいが,DiHSでは急性期は陰性で,発症から2カ月以降に陽性になりやすい。

    DiHSは発症2~3週目にヒト6型ヘルペスウイルス(human herpesvirus 6:HHV-6)の再活性化がみられ,これがDiHSの診断基準のひとつになっている。HHV-6の再活性化は,HHV-6 IgG抗体値の上昇か,PCR法により全血中にウイルスDNAを検出することにより確認する。

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