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悪性関節リウマチ

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-06-19
廣畑俊成 (北里大学医学部膠原病・感染内科主任教授)
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  • ■疾患メモ

    関節リウマチ(rheumatoid arthritis:RA)は,関節滑膜に主座を持つ慢性進行性の炎症性疾患である。一方,RAの中で,免疫複合体によるⅢ型アレルギーを基盤とした血管炎に起因する関節外症状が前景に立ったものを悪性関節リウマチ(malignant RA:MRA)と称している。

    MRAは,病理学的には全身の閉塞性血管炎であり,それに伴って全身の多彩な症状をきたす。病理学的には,中・小動脈の病変を認める全身性動脈炎型(Bevans型)と,血管内膜の線維性増殖を呈する末梢動脈炎型(Bywaters型)の2つにわけられる。

    RAの病因としては,HLA-DR1,HLA-DR4などの遺伝的素因が関与するが,MRAについて特別な遺伝的素因が存在するという報告はない。

    MRAと診断される年齢のピークは60歳代で,男女比は1:2であり,一般のRAよりもやや高齢で,性別では男性の占める割合が多い傾向にある。

    2012年度の特定疾患としての受給者数は6255人であり,RAの1%程度である。

    ■代表的症状・検査所見(

    11_08_悪性関節リウマチ

    【症状】

    RAによる多発関節炎がある。

    発熱(38℃以上),体重減少,貧血などの全身症状を伴う。

    多発単神経炎,皮膚の潰瘍,梗塞,四肢先端の壊死や壊疽,皮下結節,紫斑,上強膜炎,虹彩炎,胸膜炎,心膜炎,心筋炎,間質性肺炎,腸管,心筋,肺などの臓器梗塞などがみられる。

    【検査所見】

    赤沈の促進,CRPの上昇などの炎症反応がみられる。

    リウマトイド因子の著明な高値,血清補体価の低値,免疫複合体の高値などが認められる。

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