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痙攣

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-07-26
碓井 遼 (北里大学医学部神経内科学)
西山和利 (北里大学医学部神経内科学主任教授)
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  • ■疾患メモ

    痙攣(convulsion)とは全身または一部の筋肉が不随意かつ発作的に収縮をする症候を示す。

    てんかん(epilepsy)や痙攣発作(seizure)といった用語と混同してはならない。

    てんかんとは大脳の神経細胞が過剰に興奮することにより反復性(2回以上)に発作が起こる慢性の脳の病気(すなわち病名)を示し,一症候として痙攣を示すことがある。

    痙攣発作とは症候の1つであり,てんかんや精神疾患の臨床症状で,てんかんを疑わせる1回の発作を示す。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    痙攣の原因検索として,てんかんによるものか,そのほか全身性疾患によるものかを鑑別することが最も重要である。

    痙攣の性状(強直性,間代性,強直間代性など)を確認し,意識障害の有無や程度(呼びかけに反応するか),眼球や頭位の偏向,口角の状態,症状に左右差があるかなどを観察する。

    顔色,咬舌の有無,呼吸や脈拍の変化,失禁,流涎,上行性上腹部不快感,腹痛などの自律神経症状の有無も観察する。

    【検査所見】

    上記のような疾患を鑑別するために各種血液検査(血算,生化学,抗体検査,アルコール濃度,抗てんかん薬血中濃度,動脈血液ガス)や髄液検査,脳波,頭部CT,頭部MRIなどを施行する。

    【鑑別診断】

    てんかん,脳血管障害,髄膜炎,脳炎,脳腫瘍,頭部外傷,糖代謝異常(低血糖,糖尿病性ケトアシドーシス,非ケトン性高浸透圧性糖尿病昏睡),電解質異常(低Na血症,高Na血症,低Ca血症),全身性エリテマトーデス,血栓性血小板減少性紫斑病,アルコール離脱症候群,肝性脳症,尿毒症性脳症,低酸素脳症,結節性硬化症,心因性非てんかん性発作など。

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